「お布施って得体の知れない感じがするけど、お坊さんって一体どのくらい稼いでいるのだろう?」
と思ったことはありませんか?
『坊主丸儲け』や『葬式仏教』なんて言葉も一人歩きしていますよね。
実際のところはどうなのでしょうか。
未知の世界、お坊さんの年収に切り込んでみたいと思います。
ということで、
僧侶リアル平均年収まとめ|坊主丸儲けの真偽とは
についてご紹介します。
お坊さんの年収
お坊さんの年収はズバリ!
平均年収では600万円~700万円と言われています。
・・・濁したのは訳がありまして。
なんとも不透明な話なのですが、やはりお坊さんの実態ってあまり明かされていないんですよね。
転職系サイトなどでは分母が少ない状態で載せられてはいるのですが・・・
国や宗教法人としての公式発表は全くない状態です。
あくまで個人レベルでの年収目安しか明かされていないということになります。
また、上記した『年収600万円~』という数字ですが、調査数も少ない上での平均です。
その数字は大きくブレてしまうことは間違いありませんね。
分布で考えると、通常のサラリーマンと同じく低年収の方が大多数で、年収1,000万円以上、さらには3,000万円以上のお坊さんを支えているピラミッド型の年収分布図であることは間違いありません。
この開きはサラリーマン以上に格差が激しいとの噂です。
年収の決まり方
はてさて、お坊さんの年収って一体どうやって決まってくるのでしょうか・・・?
俗世間から隔離されているイメージのお坊さんですが・・・
その実態は会社員のそれに近いものをイメージしてくださればOKかも知れません。
「え?」と思うかもしれませんが・・・・
普通のサラリーマンの方は、会社に雇用されて会社からお給料を頂きますよね。
お坊さんの場合、会社がお寺になるだけなのです。
お坊さんはお寺からお給料を頂いている訳です。
ということは、お寺の収入がお坊さんの給料に直結するということ。
大企業に勤めるサラリーマンの方は年収が高いですよね?
都内の一等地にある企業に勤めるサラリーマンの方は年収が高いですよね?
お坊さんもそれは同じ。
都市部や有名な観光寺や宗派の総本山など、規模の大きいお寺さんは年収も良いですし、過疎化が進んでいる地方のお寺さんは年収も比例してしまうのです。
もちろん外部からの就職もありますが・・・
『金持ちの子は金持ち』という図式はお坊さんでも同じなのですね。
お坊さんの収入=お寺の収入
お寺が裕福であれば裕福であるほど、その僧侶も年収が高くなりやすいのは前項で紹介しました。
そのお寺さんの収入を左右するものを見ていきましょう。
お布施
お寺の1番の収入源は、言わずもがな檀家さんからのお布施収入になります。
お布施収入とは葬儀や法事の際に、お経を上げたときにいただく寄付のこと。
また檀家契約を結んでいる場合、護持会費として年会費を設定している場合も多いですね。
このお布施収入には、収入減として考える場合2つの大きなメリットがあります。
- 寄付扱いのため非課税
- 一度葬儀があれば、49日、1周忌などイベントが安定して確保される
人が亡くなるという不幸を喜んではいけませんが、檀家が多ければ多いほどお布施をいただく回数は増えることになります。
宗教法人はあらゆる税制で優遇されているのも大きなメリットですね。
しかし最近は檀家減少に悩んでいるお寺も多く、当然、お坊さんの年収も相対して低くなっている傾向です。
お布施以外での収入
特に観光寺では大きな収入となっていると思いますが・・・
代表的なものとしては売店でのお土産やおみくじの収入、参拝客のお賽銭などですね。
一方で、それらだけでは収入源が確保できず、別の事業をしているお寺もあります。
- 幼稚園経営
- 駐車場経営
- 不動産経営
などなど。
あなたもお寺の隣や、お寺直営の幼稚園や保育園を見たことはありませんか?
お寺ではなくとも、キリスト教系の幼稚園なども目立ちますよね。
いくら税金が緩いとはいえ、宗教法人でも潤沢な団体ばかりではないということが見て取れます。
またお寺ではなく、お坊さん自身が仏具屋などで副業をしているケース、またはお寺を維持する為に別途本業を持ちながら兼任で僧侶を行っている方もいらっしゃいます。
お布施収入の多いお寺や不動産収益の多い恵まれたお寺を除けば、お坊さんは『楽をして暮らしている』わけではなさそうですね。
全く頭が上がらない話です。
おまけ:お坊さんになる方法
外部からお坊さんになるための方法も簡単にご説明します。
いかにも難しそうではありますが・・・
結論から言うと、お坊さんになる為に特別な資格は必要はありません。
その代わりに仏門に入るための『得度(とくど)』と呼ばれる儀式があり、これを受けることによって、仏門に入ることを許可されます。
得度の内容や修行期間などは宗派によって異なりますが、どの宗派になっても修行の道は甘くありません。
仏教についての深い知識が求められるため「大学を卒業したらお坊さんになりたい!」という場合は、仏教系の大学(駒澤大学、立教大学など)で専門的に学んでおくとよいでしょう。
※例外的に浄土真宗は出家するわけではないので、僧侶を名乗るための段階も比較的楽です。
一方でサラリーマンから転職をすることも可能です。
希望の宗派により異なりますが、宗派が定める修業を受ければ僧侶になることは可能です。
もし尊敬するお坊さんに出会ってサラリーマンから僧侶の道に、と思ったら熱意を伝え弟子にしてもらうことが必要です。
このお坊さんのことを「師僧」といいますが、実家がお寺ではない場合、尊敬できる師僧を見つけることがお坊さんになるための最初の分岐点と言えるでしょう。
まとめ
お坊さんの年収・・・
その実態は明確にはなっておりません。
やはり私たちのイメージ通りの『坊主丸儲け』なお坊さんもいらっしゃるでしょうし、反対に『清廉潔白』な、いかにもお坊さんといった方も存在していることでしょう。
・・・出来ることなら身内や自分の葬儀の際には、後者のお坊さんに執り行ってほしいものですね(笑)