「ポクポクポクポク」という音を聞くと・・・
ほとんどの方は木魚を連想するでしょう。
葬儀や法事などで耳にしたり、お坊さんコントなどでもよく出てきますよね。
葬祭はもとより、木魚は私たちの生活に非常に身近な仏具です。
しかしその実、木魚について分かっていない事も多く、かなり奥が深いようで…。
今回はそんな木魚の意味や由来に迫ります!
という事で、
木魚の意味×由来まとめ|宗派による違いとは
をお送りします。
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木魚とは
木魚というのは、みなさんご存知の通り、読経の際に使用される木製の道具です。
形はおおよそ鈴のように丸く、中が空洞になっており、バイと呼ばれる先端を布で包んだ棒で叩きます。
主に仏具として使用されますが、近年では「テンプルウッド」という名称で楽器としても使用される事があります。
木魚の意味
木魚を打ち鳴らす意味・理由としては、主に読経の際のリズムをとるためです。
しかし、まさかの理由ですが・・・
お坊さんの眠気を覚ますという意味もあるようです。
聞いている方としては、木魚の音も込みで眠くなってしまいますが…。
木魚の由来
木魚が生まれた時代ははっきりとしていません。
しかし、木魚には前身にあたる仏具があります。
それが【魚板(ぎょばん)】と呼ばれるものです。
画像引用:ヤフオク
魚板は魚の形をした木の板で、禅寺などではこれを吊るし、打ち鳴らす事で時刻などを報せていました。
なぜ【魚】板、つまり魚がモチーフなのという理由には諸説あり、どれも確実ではありません。
一番有力な説は、魚は眠っている間も目を瞑らない事から、魚を見習って、寝る間も惜しんで修行をするようにとの戒め込めているというものです。
中々ハードですよね…(汗)
お坊さんが眠らないように木魚を打ち鳴らす、というのも少なからずこの【魚は眠っている間も目を瞑らない】事にあやかっているのかもしれませんね。
さらに、魚板の魚は口に何か丸い珠を咥えています。
これは【煩悩】を表しており、魚の背を叩く事で煩悩を吐き出させているんだそうです。
どの時代に成立したのか不明ですが、とてもユニークな発想ですよね。
木魚の歴史
先に挙げた通り、発祥など詳しい事は分かっていませんが、木魚は『中国で生まれた』と言われています。
日本には、室町時代にはすでに存在していたという説や、隠元隆起というお坊さんが1654年に持ち込んだという説があり、何ともはっきりしません。
こんなにも有名な仏具なのに、分からない事が多いんですね。
しかししかし!
木魚を持ち込んだと言われるこのお坊さんの名前!
【いんげんりゅうき】と読むのですが…。
【いんげん】と言うと…そう、インゲン豆!
実はあのインゲン豆も隠元隆起が日本に持ち込んだものなんだそうです。
インゲン豆の【いんげん】が人の名前だなんて、今回調べるまで知りませんでした…。
横道に逸れましたが…。
いつ日本にやって来たかははっきりとしませんが、盛んに使用され始めたのは、江戸中期頃という事です。
最初は禅宗が中心に使用していたようですが、その後ほかの宗派も木魚を取り入れるようになり、現在にいたります。
木魚の宗派による違い
数珠には各宗派で様々な違いがありますが、木魚には宗派による違いはありません。
そもそも主に使用している宗派は禅宗を中心とした以下の宗派です。
もちろん上記の宗派でも、寺社によって使用するしないという判断は異なっています。
また、日蓮宗などでは読経の際に【木柾(もくしょう)】という仏具を打ち鳴らします。
木柾には丸型と枕型の2種があり、どちらも木魚と同様に中は空洞になっています。
木魚は先端が布などで巻かれたバイで打ち鳴らすのに対し、木柾は何も巻かれていない木のバイで打ち鳴らします。
そのため木魚よりも固く高い音がします。
木柾を用いる理由は、お経を早いスピードで読んだり、特殊なリズムを刻む時、柔らかい音の木魚よりも、甲高い音の木柾が合っていたからです。
しかし、日蓮宗で木柾が使用され始めたのは明治後半で、それまでは日蓮宗でも木魚を使用していました。
というか、今でも日蓮宗では木魚と木柾を場面に合わせて使い分けているのだそうです。
まとめ
今回この記事を書くにあたり木魚について色々と調べ、その魅力に少しハマってしまいました!
音も形もどこか可愛いですしね。
それに、数珠にしてもそうですが、ただの物体に意味を与える先人のイマジネーションには敬服するばかりです。
昨今の寺離れとともに、木魚も家庭での使用は少なくなっていると思いますが、個人的には、もっと一般の人にも木魚を使用して欲しいと思います。
さぁ、みんなで Let’s ポクポク!