物事を理解するひとつの方法として、人は分類をします。
宗教においても同様で、様々な分類の方法があります。
その中のひとつに【一神教】か【多神教】か、という分類があります。
この【一神教】と【多神教】にはどのような違いや共通点が見られるのでしょうか。
比較/検証していきたいと思います。
という事で今回は、
一神教と多神教の違いとは|驚きの共通点が・・・?
をお送りします。
一神教とは
一神教とは、その名の通り、【ひとりの神を信じる宗教】という意味です。
代表的な宗教は以下の通りです。
一神教の中でも、信仰の対象となる神が絶対的な存在であり、他の神を認めない、もしくは格下に配するような宗教を【唯一神教】と言います。
多神教とは
一方、多神教は【多くの神を信じる宗教】という意味です。
代表的な宗教は以下の通りです。
一神教か?多神教か?
しかし、実際は単純に【一神教】【多神教】と割り切れるものでもなかったりします。
一神教であるキリスト教にも、グノーシス派(主義)と言われる多神教的な考え方をする宗派が過去に存在していました。
また、神道でも第一次世界対戦中は一神教的な信仰が行われていました。
そのほか、ゾロアスター教などは時代により、一神教(的)であったり多神教(的)であったりしていました。
つまり、時代によって、一神教か多神教か、変化する事もあるのです。
一神教と多神教との比較【違い】
では、一神教と多神教ではどのような違いが見られるのでしょうか。
神の数
一神教の数
一神教の神はひとりです。
ですが、ひとりと言ってもいくつかの種類が存在しています。
- 拝一神教=他の民族の神は認めつつも自分たちは一神のみを崇拝する
- 単一神教=多神教ではあるものその中の一神を集中的に崇拝する
- 交替一神教=信仰する神が順番に交替していく
多神教の数
多神教の神は、特に主要な神が三神となっているのが特徴です。
神道なら、
- 天照大神
- 須佐之男命
- 大国主命
道教で言えば、
- 元始天尊
- 太上老君
- 太上老君
そして、ヒンドゥー教では、
- ブラフマー
- ヴィシュヌ
- シヴァ
以上のようになります。
さらに、この神々の多くが、
- 祭祀
- 戦士
- 生産者
として分類する事が出来ます。
これを【三機能体系】と言います。
【三機能体系】はインド・ヨーロッパの神話に見られる共通性ですが、神道の三神も【祭祀】【戦士】【生産者】に当てはめる事が出来ます。
- 天照大神=祭祀
- 須佐之男命=戦士
- 大国主命=生産者
これは、国や民族を維持する上で最も大切な3つの枠割が【祭祀】【戦士】【生産者】であったからだと考えられています。
成り立ち
一神教の成り立ち
予言者や開祖によって誕生します。
多神教の成り立ち
自然や動植物などあらゆるものに魂が宿ると考える『アミニズム』から自然に誕生します。
神の性質
一神教の性質
神は完全なものであり、人知を超えた全知全能の存在です。
もちろん、たったひとりの神なのでパーフェクトでなければなりません。
多神教
一方で多神教の神は、それぞれ得意分野があります。
さらにはいい神だけでなく、悪い神だって存在します。
まぁ、数が多いですからね。
実にバラエティーに富んでいるんです。
一神教と多神教との比較【共通点】
一神教と多神教の共通点と言えば・・・
それは、『ともに宗教である』という事でしょうか。
…禅問答のようですが、禅問答ではありません(笑)
それほど、【一神教】と【多神教】という概念の間では共通点がないのです。
しかし、ともに宗教であり、人々の生活を支えるという点は同じではないでしょうか。
そのため、どちらの宗教の方が優れているという論争はそもそも間違えていると個人的には思っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
一神教と多神教の意味、違いなどお分かりいただけたでしょうか。
ちなみに、私達になじみ深い仏教は【一神教】か【多神教】か、どちらだと思いますか?
仏教は仏や菩薩など崇拝対象がいくつか存在するので【多神教】です。
しかし、【全ての菩薩は仏の化身】という考え方もありますので、そうなると【一神教】???
これは意見が分かれる所でもあります。
このように色々な見方が出来るのも宗教の面白い所ですね♪