神社に行くと見かける狛犬。
なんとなく風景になってしまっていますが、改めて意味を問われると、けっこう謎が多いですよね。
狛犬の意味と役割について、まとめてみました!
狛犬とは
狛犬とは、神社や寺院の入口の両脇に2体1対として設置された、空想上の守護獣像です。
2体の像には以下のような違いがあります。
- 右側→口を開いた「阿形(あぎょう)」の角のない獅子像
- 左側→口を閉じている「吽形(うんぎょう)」の角のある狛犬像
実は片方が狛犬で、もう片方は獅子なのです。
角のない獅子と、角を持っている狛犬が一対とされています。
実際は、昭和時代以降に作られた物は、左右ともに角が無いものも多いです。
口が開いているか閉じているかが、唯一の見分けるポイントと言えるでしょう。
本来は「獅子」と「狛犬」と呼び分けるべきですが、両方を合わせて「狛犬」と呼ばれているのが現状です。
ちなみに、神社によっては狛犬ではなく、狐や牛などの場合もあります。
- 稲荷神社は狐
- 菅原道真を祀っている天満宮は牛
- 大国主命を祀っている神社はウサギやネズミ
共に祀られている神様の神使(お使い)であるとされています。
狛犬の起源
狛犬は、古代インドから日本に伝わってきました。
インドにおいて、仏の両脇に守護神のライオン像を置いたのが起源とされています。
インドのライオン像が中国に伝わり、獅子像を生み出しました。
その後、仏教とともに日本に伝わったと言われています。
そして日本に持ち込まれた後、獅子と狛犬という形式に変わっていった、という説が有力です。
先ほど、獅子と狛犬の口が阿吽の形をしていると言いました。
日本の寺院にある仁王像を思い出してみてください。
仁王像の口の形も阿吽の形をしていますよね?
仁王像の役割も狛犬と同様、神を守ることです。
それを模して獅子と狛犬の口を阿吽の形にしたと言われています。
これが日本独特の狛犬の始まりで、元々は天皇の玉座を守る守護獣像として誕生しました。
狛犬の意味と役割
狛犬の役割は、悪いものが入ってこない様に見張る守護獣です。
入口にいることが多いので、ガードマンのような役割ですね。
ちなみに妖怪のアニメでは、狛犬が妖怪として出てくるので勘違いしてしまいそうですが、妖怪ではなく守護獣です。
狛犬の口が阿吽の形になっているのは、「この世の全て」を表しています。
そもそも阿吽は、仏教の呪文の1つです。
インドのサンスクリット語で、始まりの文字が「阿」、終わりの文字が「吽」となっています。
それが「初めから終わりまで」を表し、「この世の全て」となるのです。
まとめ
今回は、知っているようで意外と知らない狛犬についてまとめました。
狛犬だと思っていたのに、1体は獅子だったとは驚きですよね。
また、狛犬によって表情が違うので、見比べてみるのも面白いですね。
ぜひ、神社に行った時にチェックしてみてくださいね。