日本には、実に数多くの仏教宗派があります。
しかし・・・同じ仏教のお寺でも、宗派によって雰囲気は大きく異なるもの。
観光名所になっているお寺もあれば、お参りに来る人が少ないお寺もあります。
そうなると・・・
宗派ごとに収入にも違いがありそうですよね。
下世話な話・・・どの宗派がお金持ちなのか、気になりませんか？
信者や寺院数などをもとにランキング形式でご紹介します。
※なお、この記事での信者数や寺院数は、文化庁が発行する『宗教年鑑 平成29年版』に基づいています。
参考
第5位：高野山真言宗
弘法大師（空海）が開いた真言宗は、元は一つの宗派でしたが、空海の死後に様々な宗派に分かれました。
そのうち、最も大きな宗派が高野山真言宗です。
信者数は約390万人、寺院数は約3600と、他宗派と比べ飛び抜けて多い訳ではありません。
それでも、総本山の高野山には今も多くの人が訪れるなど、空海ゆかりのお寺として尊敬を集めています。
今でも高野山がある和歌山県と、空海の故郷である香川県を中心に、厚く信仰されています。
第4位：曹洞宗
禅宗の一つである曹洞宗が4位にランクインです。
中国で開かれ、日本には鎌倉時代、道元禅師によって伝えられました。
ひたすら座禅を組めば、出家していなくても悟ることができる、という教えです。
日本に伝わると、地方の武士や庶民を中心に全国へと広まりました。
現在の信者数は約350万人と、決して多くはないものの、寺院数は約14,000と、日本の仏教の宗派で最多を誇ります。
総本山は福井県の永平寺、神奈川県の総持寺の二か所です。
特に永平寺は、福井の観光名所になっているほか、今でも全国からお坊さんが集まり、厳しい修行に励むお寺としても有名です。
そのほか、東京の巣鴨にある「とげぬき地蔵」で有名な高岩寺も、曹洞宗の寺院です。
お寺の前にある商店街も、「おばあちゃんの原宿」としてメディアで紹介され、有名になりました。
寺院の数が多く、また観光名所になっているお寺も多いことから、観光収入が多いようですね。
第3位：浄土宗
浄土宗は、平安時代に法然上人が開いた宗派です。
厳しい修行をしなくとも南無阿弥陀仏と念仏を唱えれば救われる、という教えが特徴になります。
一般庶民でも理解がしやすい教義は大衆を中心に広まり、多くの信者を持つ宗派です。
現在の信者数は600万人を超え、浄土真宗に次ぐ規模となっています。
また、大本山の一つである増上寺は、江戸時代に徳川家の菩提寺として栄えました。
今も東京観光の定番スポットとして有名ですね。
そのほか、有名な鎌倉の大仏をご本尊に持つ高徳院も、浄土宗のお寺です。
信者の数に加え、観光名所になっているお寺の数も多い宗派です。
第2位：真宗大谷派
親鸞上人が開いた浄土真宗は、江戸時代に本願寺派と大谷派の二つに分かれました。
そのうち、「お東さん」と呼ばれているのが、浄土真宗の真宗大谷派です。
京都の東本願寺を本山としているため、このように呼ばれています。
信者(浄土真宗では門徒と呼びます)はおよそ790万人、寺院数8,500以上と、どちらも日本の仏教の中ではトップ3に入る規模です。
東海北陸地方に信者が多く、特に北陸は「真宗王国」と呼ばれるほど信者が多い地域です。
強固な地盤を持つことから、「お布施や葬祭などでの収入が多いのでは？」ということで、2位にランクインです。
第1位：浄土真宗本願寺派
大谷派と並ぶ浄土真宗の宗派が、本願寺派です。
こちらは「お西さん」の通称で親しまれています。
京都にある西本願寺を本山としていることから、このように呼ばれています。
本山のほか、有名なお寺として東京の築地本願寺があります。
信者数はおよそ792万人と、日本の仏教の宗派では最多を誇ります。
やはり信者の数は、ほぼほぼイコールでお金持ち具合に繋がると言えるでしょう。
また、龍谷大学などが所属する、龍谷総合学園という学校法人の運営母体でもあります。
校名に「龍谷」と付く加盟校が多く、全国各地にあります。
スポーツの強豪校が多いため、名前に聞き覚えがあるという方もいるでしょう。
観光客が集まるようなお寺こそ少ないものの、信者の多さに加えて、こうした学校運営などの事業展開からも大きな収益をあげています。
まとめ
今回は仏教の中で、お金持ちと思われる宗派についてご紹介してきました。
信者数や寺院数の大小以外にも、学校をたくさん持っている宗派は高い収益をあげているようです。
そう考えると、お寺以外にも仏教との接点はたくさんあるように思えますね。
仏教について知る、一つのきっかけにしてみてください。
