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地獄の番人閻魔大王とは|インド神話における起源と役割

閻魔大王とは 意味

地獄の話になると必ず登場する閻魔大王(えんまだいおう)。

「悪いことをした人は舌を抜かれてしまう」など、閻魔大王にまつわる恐ろしい話を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 

絵に描かれた姿を見ても、真っ赤な顔や鬼のような形相などとても怖いイメージが強い閻魔大王。

でも実は恐怖を与えるだけではない、優しさを持った神様なんです。

深掘りしてみましょう。

ということで、
地獄の番人閻魔大王とは|インド神話における起源と役割
についてお送りします。

 

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閻魔大王の役割

閻魔大王とはどのような神様なのでしょうか。

詳しくみていきましょう。

 

閻魔大王は良く知られている通り、地獄で死者の罪を裁く神様。

言ってみれば地獄の裁判官のような存在です。

 

しかし、地獄の裁判官と言っても閻魔大王1人で全てを決めているわけではありません。

地獄には10人の裁判官がいるとされ、この裁判官はまとめて十王(じゅうおう)と呼ばれています。

この十王とは、以下の10人になります。

  1. 秦広王(しんこうおう)
  2. 初江王(しょこうおう)
  3. 宋帝王(そうていおう)
  4. 五官王(ごかんおう)
  5. 閻魔王(えんまおう)
  6. 変成王(へんじょうおう)
  7. 泰山王(たいざんおう)
  8. 平等王(びょうどうおう)
  9. 都市王(としおう)
  10. 五道転輪王(ごどうてんりんおう)

つまり、閻魔大王はこの十王の1人として裁判を行っているんです。

しかし、ただの裁判官ではありません。

実は閻魔大王は、この十王の中で一番偉い存在。

6つの苦しみの世界である、六道の行先を決める重要な役割を担っているのです。

>>>六道輪廻の意味を分かりやすく解説|極楽浄土と仏教とは

 

閻魔大王の起源

では、なぜ閻魔大王は地獄の裁判官となったのでしょうか。

閻魔大王の起源をみていきましょう。

 

インド神話における閻魔

閻魔大王の起源は、なんとインド神話にさかのぼります。

インド神話における閻魔大王のような存在、つまり冥界(めいかい)の王の名は「ヤマ」。

 

では、どうしてヤマは冥界の王となったのでしょうか。

実はこのヤマは、インド神話における最初の人物。

そして、最初の人物にして最初の死者となります。

 

初の死者となり、死者の国にたどり着いたヤマ。

誰もいない死者の国で、神はヤマに「死者の国(冥界)の王」になる事を命じます。

こうしてヤマは冥界の王となったのです。

 

仏教における閻魔

次に、仏教における閻魔の成り立ちについてみていきましょう。

このインド神話の冥界の王であるヤマが、仏教に採り入れられたのが閻魔とされています。

 

そしてこの閻魔が中国で道教とも結びつき、十王信仰が生まれました。

十王信仰とは、死者が死後決められた日数の間、閻魔を含む10人の王である十王の裁判を受けるというもの。

生前に犯した罪の重さによって、地獄へ行くか六道を輪廻するかなどが決められる裁判です。

 

因みに閻魔大王は5番目の裁判官。

数ある裁判の中で、この閻魔大王の裁判が最大の難関とされています。

 

日本における閻魔

日本では閻魔大王は、他の国とちょっと変わった解釈をされています。

日本における閻魔についてみていきましょう。

 

信仰の対象となった閻魔

日本に閻魔の存在が伝わったのは平安時代。

当初は、地獄の番人として人々に恐れられていました。

しかし、後に地蔵菩薩と習合されるようになり、閻魔大王への信仰が生まれるように。

>>>地蔵菩薩の真言とご利益とは|閻魔大王との意外な関係

 

この閻魔大王への信仰は広まり、今でもお寺などでは大きな閻魔大王の像を見ることができます。

こうして、日本において閻魔大王は馴染み深い存在となっていったのです。

 

閻魔の顔が赤い理由

このようにして信仰の対象となった閻魔は、絵や仏像で表現されるようになりました。

しかし、どの絵を観ても閻魔大王の顔は赤く塗られていますよね。

なぜ閻魔大王の顔は赤く塗られているのでしょうか。

怒っているからと思われがちですが、それ以外にも理由があるんです。

 

閻魔大王の顔が赤い理由は、閻魔大王自身も罪を受けているから。

閻魔大王の役割は死者の罪を裁いて罰を与えること。

しかし、いくら閻魔大王でも人に苦しみ与えることは罪になります。

そのため、閻魔大王自身も罰を受けなければならないのです。

 

その罰とは、日に3度、口の中へ溶けた銅を流し込まれるというもの。

その苦しみに耐えていることを表現するため、閻魔大王の顔は赤く塗られているそうです。

 

もし罪を犯す人間がいなくなれば、閻魔大王も苦しみを受けることは無くなります。

閻魔大王は人に苦しみを与えるだけの存在に見えますが、本当は人類皆が罪を犯さず、良い行いをしてくれるよう願っているのです。

 

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まとめ

地獄の番人として恐れられている閻魔大王。

死者を地獄に送るだけの存在かと思われがちですが、実は優しい心をもった神様でした。

閻魔大王は意外にも多くのお寺で祀られています。

近くに祀られているお寺があれば、是非参拝してみましょう。

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