座禅の座り方は床に座る習慣がないと、なかなか難しい姿勢ですよね。
特に膝が痛かったり、体が硬かったりすると・・・
「足が組めなくて座禅をしてみたくてもできない!」
なんてことも。
そんな方におすすめしたいのがイスに座って行う座禅「イス禅」です。
座禅の中でも一番チャレンジしやすいのがイス禅の良いところ。
座禅と同じく、ストレスの軽減、リフレッシュやひいては仕事の能率や生活の質にも嬉しい効果があります。
ぜひ生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
今回は、
座禅の足で組めない場合におすすめの方法|イス禅のやり方
をお送りします。
イス座(座禅)について簡単に解説
イス禅と座禅は座り方が違うだけで、そのやり方や心構えなどは全く同じです。
※正しくは座禅ではなく”坐”禅と書きます。
イス禅も座禅と同じく、規則正しい腹式呼吸をしながら、何も考えず自分の内面をただひたすら見つめる修行です。
スマホを見れば流れるように情報が入ってくる今の社会では、何も考えない時間はなかなか生活の中で取りにくいものです。
そして悩みやイライラなどから、座禅の間だけでも頭の中から追い出すと、
- リフレッシュして仕事の効率UP
- 心を落ち着ける
- ストレスの軽減
- 快眠度UP
などの効果やメリットを得ることができます。
なお座禅の詳しいメリットや効果については、こちらの記事でまとめています。
>>>座禅のメリットと効果|簡単にできる!自宅でのやり方まとめ
足が組めない人におすすめのイス禅
通常の座禅は座布(ざふ)と呼ばれる座布団の上に、少し変わった胡座で座ります。
- 結跏趺坐(けっかふざ):両足を太ももの上に載せる胡座。
- 半跏趺坐(はんかふざ):片足だけ太ももの上に乗せる胡座。
このどちらかの座り方で決まった時間(15分〜45分程度)瞑想します。
が、この座り方は体の固い人や、膝に痛みを感じる方にはとても辛い姿勢です。
(私も結跏趺坐は痛くて全然できません)
今の日本は椅子社会。
普段床に座る機会すらありませんよね。
慣れない座り方に違和感や痛み感じたりしていると、座禅の効果を得ることができません。
そのような方におすすめしたいのがイス禅です。
座り慣れたイスに座り、座禅と同じように腹式呼吸で瞑想をする座禅の新しい取り組み方です。
座禅の心構えとして大切なのが以下3つ。
- 調身(ちょうしん)・・・体、姿勢を整える
- 調息(ちょうそく)・・・呼吸を整える
- 調心(ちょうしん)・・・心を整える
姿勢・呼吸・心が繋がっていて、姿勢を整えると自然と呼吸が整い心も整うと考えられています。
まず正しい姿勢を取れることが座禅では何よりも大切です。
椅子に座るときはつい背もたれに体を預けがちですが、正しく座るように気をつけましょう。
イスの選び方・イスの準備
どんな椅子でも行おうと思えばイス禅をすることはできます。
が、向いている椅子やできれば避けた方がいい椅子はあります。
慣れていない方は、イス禅に向いている椅子を使うことをおすすめします。
体や重心がグラグラしてしまうような椅子だと、呼吸と自分の内面に意識を向けにくくなりますからね。
向いている椅子
- 座面は柔らかすぎず、固めで水平のもの
- 椅子の高さは座った時に太ももがほぼ水平になる高さ
- 肘掛けの無いもの
- グラグラしない
ダイニングチェアなど、しっかりした椅子がイス禅に向いています。
肘掛けがあると手を組む時に当たって邪魔になる可能性がありますので、できれば無い椅子で行いましょう。
向いていない椅子
- 座面が柔らかく体が沈む
- 座面が回転する
- キャスターがついている
デスクチェアやソファは向いていない椅子と言えます。
動く椅子や座面が柔らかい椅子は、体が安定しにくいので調身をすることが難しくなります。
そして調身が上手くいかないと、調息・調心も難しくなってしまいます。
もちろん、イス禅に慣れてきたらどのような椅子でも整えられるようになりますが・・・
慣れないうちは避けたほうが良いでしょう。
イス禅のやり方
基本的には、座り方が異なるだけで通常の座禅と流れは同じです。
イス禅を行う時間は、最初のうちは5分〜15分がオススメです。
視界に時計やテレビが入ると、集中しにくくなるので時間はスマホのタイマーなどで計るのが良いでしょう。
途中でやめたりせず、自分が決めた時間やりきることも大切です。
1.座り方
普通の座禅と同じくイス禅でも座り方が一番重要です。
背もたれは使わず座面半分より手前に浅く座ります。
座った時に突起のように感じる骨盤の骨「坐骨」を座面に直角に当てると骨盤が立ち、腰が安定します。
背骨をまっすぐにし、顎は少し引きます。
坐骨で座るようにすると、背筋がピンとなりやすくなるので普段の生活にも生かしてみてください。
太ももが水平よりも上に上がらないよう気をつけましょう。
足は肩幅に開いて地面にしっかりとつけます。
足が浮いてしまうと体が安定しないので高さを調整、もしくは椅子を変更しましょう。
2.手の形「法界定印(ほっかいじょういん)」を作る
手の形は、右手のひらを上向きにし、その上に左手のひらを上向きにして置きます。
親指を軽くくっつけ、人差し指と親指で楕円を作ります。
手は自然と足の付け根に置きましょう。
3.深呼吸・左右揺振する
手と姿勢が整ったら、2・3度深く息を吐き出して呼吸を整えます。
これを「欠気一息」(かんきいっそく)と呼び、瞑想中の呼吸をしやすくしてくれます。
そして手をほどき、体を前後左右に揺らして体の力みをとります。
初めは大きく揺らし徐々に小さくしていき、まっすぐな姿勢で静かに止まりましょう。
4.瞑想・座禅中のポイント
再び手を組み、瞑想に入ります。
目は閉じずに半目(少し遠くの床を見る感じ)にしましょう。
また呼吸は丹田(おへその5cm下)に意識を集中させて鼻からゆっくり吸い、静かに鼻から吐きましょう。
この丹田に意識を向けて呼吸することで、自分の内側を見つめやすくなります。
慣れないうちは、規則正しい腹式呼吸を意識するだけでも大丈夫ですよ。
調身・調息がきちんとできるようになってくると、自然と調心(心を整える)ができるようになります。
5.合掌・左右揺振する
終了の時間になったら静かに手を解いて合掌しましょう。
そして体と腰を柔らかくするために左右揺振を行います。
始めの時とは逆に、最初小さく徐々に大きく体を倒しましょう。
ゆっくり立ち上がり、イス禅終了です。
慣れてきたら会社・通勤中などどこでも行えます
正しい作法を解説させていただきましたが、イス禅の魅力は「どこでも・誰でも」できること。
座禅・イス禅が初めての方には、正しい方法でイス禅を行うことをお勧めしますが・・・
イス禅に慣れたら会社のデスクや、通勤中でも行うことはできます。
まさに生活のなかに取り入れることで、頭をスッキリとさせ仕事の能率UPや、イライラした時に冷静さを取り戻すことができます。
人目が気になる場所でイス禅を行う場合、合掌やウォーミングアップは頭の中で行うだけで構いません。
また外で行おうと思うと、5分〜15分の座禅は少し長いですよね。
2、3分の短い時間でもイス禅を行うことで心を落ち着け、リラックスすることができますよ。
ぜひ仕事の休憩時間などに行なってみてください。
まとめ
- 座り方が違うだけでイス禅と座禅は同じもの
- イスはダイニングチェアなどしっかりした椅子がオススメ
- イスがあればどこでもできる
- 短い時間から行える
足が組めない人にオススメのイス禅を紹介させていただきました。
イス禅の魅力は座禅よりも簡単に行えること!
足が組めないだけでなく、座禅自体に敷居の高さを感じている人にもオススメです。
ぜひ生活の一部に取り入れてみてください。