お寺に参拝に行くと「ノウマク サンマンダ−」というお坊さんが唱えているのを耳にすることはありませんか。
お坊さんが唱えているのは、不動明王の真言と呼ばれるお経です。
不動明王ってそもそも誰なのか、真言とは何なのか、聞いてもよくわかりませんよね。
今回は、
不動明王の真言|その意味と驚くべきご利益について
解説します。
不動明王とは
不動明王(ふどうみょうおう)は、サンスクリット名で「アチャラナータ(=動かない守護者)」と呼ばれ、密教の尊各と言われる五大明王の中心に位置する仏様です。
五大明王はその名の通り、不動明王の他にも4人の明王がいます。
不動明王が中心に位置し、まわりに他4人の明王が並びます。
- 降三世(ごうざんぜ)明王・・・東
- 軍荼利(ぐんだり)明王・・・南
- 大威徳(だいいとく)明王・・・西
- 金剛夜叉(こんごうやしゃ)明王・・・北
明王は真言の力が強力な仏様であり、明王の中でも1番真言の効果、ご利益が優れているのが不動明王です。
仏様はみんなやさしい顔をしていますが、不動明王は怒った顔をしています。
それには理由があって、不動明王には「やさしくしても仏教の教えを守らない者に対して、怒りの形相をして叱る役割」を持っているからなんです。
とても怖い不動明王ですが、効果やご利益はちゃんとありますので安心してくださいね。
不動明王の真言と意味
真言とは漢字の通り「真実の言葉」のこと。
サンスクリット語ではマントラ、日本語では呪文という意味です。
日本でメジャーな般若心経も真言を説いたお経と言われています。
不動明王の真言は、サンスクリット語でこのように言います。
非常に短い文章ですね。
ノウマク サンマンダ バサラダン センダン マカロシャダヤ ソハタヤ ウンタラタ カンマン
これを日本語に直すとこのような意味になります。
怒りの顔をしておられる不動明王様
どうか私の迷いを打ち砕いてください
どうか私の前にある障害を取り除いてください
どうか私の願いを叶えてください
日本語の意味を見てみると、不動明王に3つのお願いをしています。
弱気になっているとき、自分に自信が持てないとき、そして願いを叶えてほしいとき。
そんな時はこの真言を唱えることで不動明王の力を借りることができるのです。
不動明王とご縁を持つための唱え方のコツは、次の2点です。
- 心に不動明王がいると思いながら唱える
- 真言は暗唱する
短い文章なので、暗唱もむずかしくないですね。
唱える数も良い回数があると言われていますが、諸説あるようです。
真言の効果とご利益
不動明王の真言を唱えることで以下のような効果、ご利益があると言われています。
- 商売繁盛
- 立身出世
- 厄除け
- 病気治癒
- etc
不動明王の真言の効果は絶大と言われています。
東京の山手線の駅である「目黒」と「目白」は、江戸を守るために作られた目黒不動と目白不動が由来です。
目黒不動と目白不動の他にも、目赤不動、目青不動、目黄不動の5つの不動明王で江戸を守ったのです。
信じられないかもしれませんが・・・
昔から不動明王がもたらすご利益は広く認められていた為、現在も厚く信仰されているのかもしれませんね。
まとめ
見た目は怖い不動明王ですが、ご利益はかなり高いです。
「そんなわけないじゃん」と疑いたくなるかもしれませんが、真言を唱えて試してみる価値は大いにあります。
迷ったとき、自信がないとき、人に相談できない時は、不動明王の力を借りるために真言を唱えてみてはどうでしょうか。
ただしせっかく唱えるのであれば、中途半端な気持ちではなく、心から不動明王を思って真言を唱えてみてくださいね。
心の中で不動明王を思い浮かべながら、
ノウマク サンマンダ バサラダン センダン マカロシャダヤ ソハタヤ ウンタラタ カンマン