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座禅のメリットと効果|簡単にできる!自宅でのやり方まとめ

座禅 メリット 効果

 

最近海外の著名人などに人気のある座禅。

今人気のマインドフルネスや瞑想とも似ていますが、決まった作法のある座禅の方が型に入りやすく素人でも取り入れやすいかもしれません。

 

それでも座禅は、

  • お坊さんの修行
  • 悟りを開くために行うもの

と、なんとなく敷居が高く一般の人には全く関係ない難しい存在のように感じてしまいますよね。

 

でも座禅は自宅で簡単に行うことができますし、お坊さんでなくてもメリットが数多くあります。

  • ストレスの軽減
  • 集中力が上がる
  • 夜の寝つきや眠りの質を上げる

などなど、ストレス社会に生きる私たちにはとても魅力的ですよね。

今回は、
座禅のメリットと効果|簡単にできる!自宅でのやり方まとめ
をお送りします。

 

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座禅とは

座禅がどういうものなのかを簡単に解説していきます。

(本当は“坐”禅なのですが、座禅の方が一般的な呼び方になっているのでここでは座禅と統一します)

 

「座」座って「禅」瞑想・心を集中させることから座禅と言います。

古代インドで、心の安定や精神統一をするために行われていた修行法の一つであり、仏教では釈迦が悟りに至るまでに行った修行にも数えられています。

 

日本仏教で座禅を修行として行っている3大禅宗は

  • 臨済宗(りんざいしゅう)
  • 曹洞宗(そうとうしゅう)
  • 黄檗宗(おうばくしゅう)

です。

臨済宗と曹洞宗は座禅の作法や考え方が異なります。

(黄檗宗については資料がなく・・・)

>>>曹洞宗と臨済宗の違いとは【禅と悟り】の方法にその答えがあった

 

座禅のメリット

自我を取り払い無我の境地へ自分を導き、悟りを開くための修行である座禅。

一般人は悟りなんて開くわけでもないし、

「何もしないで座っているなんて時間の無駄じゃないの!?」

と思ってしまいますが・・・

 

実はストレス社会に生きる私達現代人にとって、魅力的なメリットがたくさんあります。

  • 心が落ち着く
  • 集中力が上がる
  • リラックス効果がある
  • ストレスを軽減する
  • 眠りの質を上げる

とっても簡単に説明すると座禅は、姿勢を正して座り腹式呼吸をして意識を集中させるだけですが・・・

 

パソコンやスマホを使っていると前かがみになり呼吸が浅くなりますし、情報が流れるように入ってくる今の時代には、何も考えないこと自体生活している中では難しいですよね。

正しい姿勢をとり、呼吸をする。

 

また自分を見つめる時間は、普通に生活を送る中では取りにくいですが「座禅」という形で生活に取り入れることによって、その機会を自然と持つことができるようになります。

 

なぜそのような効果があるのか・・・?

背筋をピンとして座ると、前かがみで座っている時よりも呼吸がしやすくなりますよね。

 

そして緊張している時、人は自然と浅く速い呼吸になってしまいますが・・・

緊張していてる時に深呼吸すると不思議と緊張がほぐれて気持ちが楽になった経験ありませんか?

心の緊張だけを意識的にどうにかするのは難しいですが、呼吸に意識を向けると心の緊張がほぐれます。

 

姿勢・呼吸・心の3つは繋がっていると禅では考えられています。

この3つを整える座禅を行うと、修行僧ではない一般人の我々でも、沢山のメリットを受けられるというわけです。

 

座禅のデメリット

メリットがあるならデメリットもあるのではないかと気になりますよね。

まず座禅の基本姿勢である

  • 結跏趺坐(けっかふざ):両足を太ももの上に乗せる胡座。
  • 半跏趺坐(はんかふざ):片足だけ太ももの上に乗せる胡座。

半跏趺坐は初心者向けの座り方ですが、それでも床に座り慣れない人や、股関節が痛い人、太っている方には辛い姿勢になります。

このポーズが痛くてたまらない方は座禅そのものが苦痛になり、メリットを受けることができないでしょう。

 

また、独学であまり長い時間座禅を行なっていると不安になってしまう方もいます。

座禅にハマり30分以上の長い座禅を毎日行いたい方は、座禅会に参加して真の意味で正しい座禅を学んだ方が良いでしょう。

 

座禅の効果

座禅の基本姿勢や心構えとして

  1. 調身(ちょうしん)・・・体、姿勢を整える
  2. 調息(ちょうそく)・・・呼吸を整える
  3. 調心(ちょうしん)・・・心を整える

の3つがあります。

 

姿勢・呼吸・心が繋がっていて、姿勢を整えると自然と呼吸が整い心も整います。

座禅中の呼吸は、胸ではなくお腹を膨らませて行う腹式呼吸(もっと正しくいうと丹田呼吸法)です。

一定のリズムで行う腹式呼吸には脳のセロトニン神経を刺激しセロトニンの分泌を促す効果があります。

 

セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれる脳内物質で、しっかりと分泌されていると様々な効果があります。

  • 精神を安定させる
  • ストレス耐性をあげる
  • 効果朝〜午前中は覚醒を促す
  • 体温調節などにも関与
  • 夜は質の良い睡眠をとるのに不可欠な脳内物質「メラトニン」の材料になる

座禅の効果は、このセロトニンの効果とも言えます。

 

逆にセロトニンが不足していると・・・

ストレスを受けやすくなり小さな事でイライラしてしまう、寝つきが悪くなるなど心身に悪影響が出ます。

イライラしがちな人や疲れがちな方は、セロトニンが不足しているのかもしれません。

 

セロトニンは朝日を浴びる、食生活を見直す事で増やす事もできますが、座禅はただ行うだけ。

仕事や家事の関係で朝日が浴びられない方でも可能なとっても手軽な方法なので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

座禅をやってみたけど効果がない?

実は1回だけの座禅では効果を得られない人が多いです。

椅子生活の現代社会では、床に座ること自体普段と違う行為です。

 

姿勢に気を取られてしまったり、腹式呼吸がうまくできなかったり、落ち着こうと考えすぎて逆にイライラしてしまったり・・・

調身・調息・調心が上手くできていない状態ではセロトニンの分泌を増やす事は難しいですね。

 

最初はただ座って呼吸に意識を向けるだけで十分です。

座禅を習慣づけるようになると、独特の座り方にも慣れますし腹式呼吸もできるようになります。

正しい呼吸で、セロトニンの分泌を促せるようになりましょう。

 

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座禅のやり方(簡単な自宅で行う座禅の方法)

まずは始める前の注意点から。

  • 座禅を行う時は体を締め付けないゆったりした服装で行いましょう。
  • ネクタイやベルト、腕時計なども外しましょう。
  • できるだけ静かで、落ち着いた部屋を選びましょう。

座禅に必要なものは座附(ざふ)と呼ばれる専用の座布団だけ。

座附の上に座ることでお尻が高くなり、正しい姿勢とバランスで座ることができます。

 

一般のご家庭に座附はないと思いますので、2つの座布団を使って代用しましょう。

まず大きめの座布団を敷き、その上に二つ折りにした座布団を置きその上に座れば座附の代わりになります。

座禅を行う部屋は明るすぎず、暗すぎず、静かで落ちつける部屋で行いましょう。

 

もし購入したい!というのであれば・・・

普通にAmazonで売っています(笑)

 

座る

座附がお尻の中心にくるようにし、お尻・両膝の3点で均等に体重を支えて座りましょう。

 

足を組む

足の組み方は二種類あります。

  • 結跏趺坐(けっかふざ):両足を太ももの上に載せる胡座。
  • 半跏趺坐(はんかふざ):片足だけ太ももの上に乗せる胡座。

結跏趺坐は、体が柔らかい人でないと組むことが難しい姿勢です。

(私は痛くて無理でした)

 

慣れない方は半跏趺坐で大丈夫です。

半跏趺坐の姿勢を取るだけで、背筋がピンと伸びなかなか気持ちがいいですよ。

 

手の形「法界定印(ほっかいじょういん)」を作る

手の形は、右手のひらを上向きにし、その上に左手のひらを上向きにして置きます。

親指を軽くくっつけ、人差し指と親指で楕円を作ります。

これを法界定印と呼び、座禅中は足の付け根に置きます。

一休さんが考え事をする時の姿勢と同じですね。

 

座禅の姿勢が整ったら、体を左右に揺らします。

体を揺らすことで、緊張をほぐし体の中心位置・重心を確認することができます。

 

深呼吸する

姿勢が整ったら、深く息を吐き出して呼吸を整えます。

これを「欠気一息」(かんきいっそく)と呼び、その後の呼吸をしやすくしてくれます。

一息と言いますが、1回だけではなく落ち着いてきたなーと思える回数を行って大丈夫です。

 

左右揺振する

手をほどき、両膝の上に乗せて状態を前後左右に揺すります。

初めは大きく揺らし徐々に小さくしていき、体の中心でピタリと止まりましょう。

これは体を適度にほぐし、正しい姿勢で座りやすくしてくれる重要な動作です。

 

終わったら再び手を組み、座禅を開始します。

 

座禅中のポイント

座禅中は目を閉じず、半分開いた半目(大仏さまのイメージ)にしましょう。

目を瞑ってしまうと、姿勢が崩れたり眠くなったりしてしまいますので・・・

また呼吸は丹田(おへその5cm下)に意識を集中させて鼻からゆっくり吸い、静かに鼻から吐きましょう。

 

この丹田に意識を向けて呼吸することで、自分の内側を見つめやすくなります。

雑念が浮かんできても無理に消そうとしなくて大丈夫です。

雑念はほとんどの人が浮かんでくるものですし、消そうとするとそちらに意識が囚われてしまいます。

自分の中にただ雑念があることを見つめ、呼吸に意識を向けると良いでしょう。

 

座禅の終わり

終了の時間になったら、手をほどき静かに合掌します。

そして座禅を始める時のように、前後左右に体を揺らして固まった体を柔らかくします。

終わりの時は最初小さく、徐々に大きく体を倒しましょう。

そして足を解いて(しびれていたらおさまるまで待ちましょう)ゆっくり立ち上がり終了です。

 

座禅を組む時間はどれくらい?

お坊さんたちの座禅の時間は一炷香(いっちゅうこう)と呼ばれる、長い線香が燃え尽きるまでの時間(40分〜50分程度)を1回としています。

厳密に何分間と決められた時間ではないんですね。

 

お寺では終わりの合図として放禅鐘(ほうせんじょう)と呼ばれる鐘が1回鳴ります。

では自宅で行う場合はどれくらいの時間、座禅をしたら良いでしょう?

最初は短めの5分〜15分くらいから始めることをオススメします。

実際に足を組んでみると、座禅の姿勢を長く保つ事自体が最初は難しくあまり長い時間だと辛く感じてしまいます。

 

また、一度座禅をすると決めて始めたら自分の都合(疲れてきた、眠いなど)で切り上げるのはよくありませんので、無理のない範囲で行えそうな時間で取り組んでみてください。

家で行うときは、スマホのタイマーなどで時間を決めて合図にしましょう。

短い時間でも行なっていると、徐々に効果を実感できるようになりますよ。

 

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まとめ

  • 座禅とは悟りを開くために行われている修行
  • 座禅の姿勢・呼吸がセロトニンの分泌を促すため、ストレス解消などの色々な効果がある
  • 1度では効果は実感しにくい
  • 回数を重ねると調身・調息・調心がうまくできるようになり効果も実感できるようになる
  • お寺に行かなくても家でできる
  • 短い時間から行える

 

思い立ったらその日からでも家で手軽に座禅ができること・・・

お坊さんでなくとも座禅を行うと様々なメリットがあることがわかっていただけたと思います。

 

自宅で座禅を行なってみて「もっと座禅について詳しく知りたい!」と思った方はお寺で行われている座禅会に参加してみることをオススメします。

1000円〜2000円前後でお寺が開いている座禅会に参加することができますよ。

あ、禅宗以外のお寺さんじゃ門前払いされてしまいますので注意してくださいね(笑)

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