世界の宗教

【中国の三大宗教】道教とは何か簡単に解説

道教とは 簡単に

 

「あれから30年——僕らは2度目の初恋をする。」

とある映画の本邦初公開30周年を記念して、特設サイトが出来ていました。

 

その映画とは…『幽玄道士 キョンシーズ』

若い人は知らないですよね(汗)

※これは旧作。

 

簡単に説明すると、キョンシーをヒロインの美少女道士テンテンちゃんが倒すという話です。

キョンシーというのは、中国版ゾンビのようなもの。

 

そして、この道士というのは、道教の聖職者の事なのですが・・・

みなさん、道教ってご存知ですか?

中国の3大宗教のひとつでありながら、日本ではあまり知られていない『道教』。

様々な要素を取り入れて実にバラエティに富んでいるんです。

ということで今回は、
【中国の三大宗教】道教とは何か簡単に解説
をお送りします。

 

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道教の信仰

道教を分かりやすく一言で表すと、【中国古来の雑多な民間信仰に神仙思想や老荘思想を取り入れ、さらに陰陽五行説、易、呪術、卜占に讖緯説などを融合したもの】となります。

えぇ、分かりにくいですよね(汗)

 

道教は様々な要素を取り入れた事もあり、中国古代に生まれた多くの神を崇拝し、多くの原始的宗教様式を持ちます。

そのため非常に分かりにくいですが、中心的な教義が2つあります。

  1. 神仙思想
  2. 老荘思想

コチラの二つになります。

順に見ていきましょう。

 

1.中心的教義『神仙思想』

一つ目は『神仙思想(しんせんしそう)』です。

これは修行を積み、不老不死の霊薬を作り、自ら仙人になる事を目標とする思想の事です。

仙人になれば、不老長寿のほか様々な呪術を使う事が出来ると信じられていました。

 

元々は中国の民間信仰でしたが、道教の中心的教義を担う思想のひとつとなりました。

 

2.中心的教義『老荘思想』

もうひとつは『老荘思想(ろうそうしそう)』

最も重んじられたのは「道(タオ)」というもので、これは、『ほぼ「天」と同義か、もしくは天よりも上のもの』と考えられました。

 

また、老子の説いた「無為自然」も道教では理想の生き方とされました。

「無為自然」とは、自然のまま、『あるがまま=天に従って生きる』という意味です。

 

つまり、分かりやすく言うと・・・

【「道」と一体になるため、天に従い修行をし、不老不死となり、仙人になる事を目指す】のが、道教の中心的な目的です。

 

そのほかには、呪術や占い、予言などを用いて、現世での利益を得る事も道教の目的のひとつです。

 

100を越す神々

道教には100を越す神々が存在しています。

その中でも、三清(さんせい)と呼ばれる最高神格の神々三柱をご紹介しましょう。

 

元始天尊(げんしてんそん)

最高神は元始天尊と呼ばれる神様で、儒教の天神を道教に取り入れたものです。

 

太上老君(たいじょうろうくん)

老子を神格化した神様で、「新天師道」においては最高神です。

 

太上道君(たいじょうどうくん)

「道」を神格化した神様。

 

道教では以上の神様が三柱で、『三清』と呼ばれています。

個人的には、再アニメ化で加熱する、漫画・封神演義を思い出しますね。

太上道君以外の二柱は重要キャラとして登場していました。

※そもそも封神演義自体が中国の古典ですが。

 

 

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道教の歴史

2つの道教

自然発生的に生まれた道教は元々ひとつでした。

しかし、道教の教団が成立した時、道教は「民衆道教」と「成立道教」に分かれたのです。

 

「民衆道教」というのは昔からある、民間信仰としての道教の事です。

一方「成立道教」というのは、「民衆道教」から発展し、教団を持つようになった道教の事です。

今回は「成立道教」の歴史を説明します。

 

成立道教の歴史

「成立道教」の起源は後漢末に成立した「太平道」と「五斗米道(天師道)」という教団です。

しかし「太平道」は黄巾の乱という反乱を起こし、鎮圧された後に消滅しました。

(三国無双でお決まりのイベントですね!(笑))

 

一方、「五斗米道」北魏時代に改革され、「新天師道」として生まれ変わります。

さらに、この時代には道教が国教にまでなったのです。

 

唐代には仏教に対抗するため、老子を開祖と称し、帝室からも保護を受けます。

その後「新天師道」は「正一教」と名前を変えます。

 

また、この頃に新興の教派がいくつか現れます。

中でも「太一教」「真大道教」「全真教」は元の時代まで続きましたが、「太一教」「真大道教」は次第に衰退しました。

 

結局、「正一教」と「真大教」が残り、明の時代には正当な教派と国から認められるまでになったのです。

しかし、文化大革命の折りには、その他の宗教と同様に攻撃を受け、多くの道観(道教の寺院)が破壊され、道士(道教の聖職者)は還俗を余儀なくされました。

 

ですが、1980年代になると少しずつその宗教活動が認められるようになり、道教は復興を果たしたのです。

尚、「正一教」「真大教」は現代においても二大教派となっています。

 

道教が日本へ与えた影響

日本では、道教はそのままの形ではあまり流行する事はありませんでした。

しかし、道教の中の要素のひとつである陰陽五行説は日本の【陰陽道】の元になりました。

>>>陰陽道とは何か分かりやすく解説!!【陰陽師の真実】

 

そのほか、【修験道】にも道教は影響を与えたと言われています。

>>>修験道とは【分かりやすく簡単に】解説!

 

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

様々な信仰や思想が取り込まれている道教はあの広い中国ならでは、といった感じですが…。

よくよく見てみればどこかあの宗教に似ている点もあると思いませんか?

 

実に身近な…。

そう、【神道】です。

>>>日本の宗教『神道と仏教』違いとその関係とは

 

個人的にですが、民間信仰から発展した点や、神様の多さなどよく似ているような気がしています。

世界には様々な宗教がありますので、色々調べてみると類似点や共通点などが見つかって面白いかもしれませんよ♪

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