時代劇や大河ドラマなどに度々登場する山伏(やまぶし)。
法螺貝を吹いているイメージなどはあるかと思いますが、彼らは何者なのか、みなさんご存知ですか?
実は、彼らは『修験道(しゅげんどう)』を実行する修験者なのです。
ではでは、修験道と一体なんなのでしょうか。
ということで今回は
修験道とは【分かりやすく簡単に】解説!
をお送りします。
修験道とは
修験道とは日本特有の宗教なのですが、一体どんな宗教なのかを分かりやすく、3つの要素から説明していきます。
目的
山には神々が宿ると考えた山岳信仰がベースになっています。
山をご神体とし、そのご神体(山)に籠もり修行や呪術的な儀式を行います。
そうする事で、神仏が示す不可思議なご利益などが得られるという考え方です。
聖職者
修験道における聖職者は修験者または山伏と呼ばれます。
元々は山臥という漢字を用いていました。
しかし、ご神体に伏して修行をする事から【山伏】と書くようになったようです。
聖地
聖地はもちろん山。
神仏の霊験が著しい場所という意味で「霊場」と言われます。
初めは大和国の葛城山を中心としていました。
現在では、出羽三山の「羽黒山」「月山」「湯殿山」や「熊野」、「高尾山」や修験道最北の霊場「恐山」などが有名です。
修験道の歴史
奈良時代には、仏教僧の中に山で山岳信仰的な修行を行う人々が現れました。
実は修験道の開祖とされる【役小角(えんのおづぬ)】もこうした宗教家の一人であったと言われているのです。
平安時代には、真言宗や天台宗などの密教や道教などと習合し日本独自の修験道が完成していきます。
鎌倉時代には、天台宗の聖護院を拠点に活動する本山派や、真言宗の醍醐寺を拠点に活動する当山派をはじめ、多くの宗派が形成されていきました。
また、それに伴い、修験者たちは祈祷や呪文を唱えるなど呪術的な能力でもって庶民の暮らしに溶け込んでいったのです。
その後、明治5年には修験禁止令が出されてしまいます。
修験道は事実上禁止されますが、多くの団体が真言宗や天台宗に属す事になります。
しかし、第二次世界大戦後には相次いで独立し、現在は金峯寺、聖護院、醍醐寺などで信仰が行われています。
修験・山伏体験が出来る寺
実は今、特別に厚い信仰がある訳ではない…という人も、山で修行をする事で日々のストレスから解放されたり、自分を見つめ直したり出来ると、【修験体験】がじわじわと人気を集めています。
年に一度宿泊をして本格的に体験出来る所もあれば、月に1回の開催で時間も午前中のみとお手軽なものまで幅広くあります。
興味のある方はぜひ一度体験してみてください。
神峯山寺(かぶさんじ)
七高山のひとつで、日本で最初に毘沙門天が安置された霊場と言われています。
開山の祖は修験道の開祖とも言われている役小角と言われ、神峯山寺には役小角の像が安置されています。
ここでは毎月、『回峯行』(神峯山の峯を歩き回る行)や護摩行などの体験が出来ます。
- 日時:月1回(第2日曜日)
- 住所:大阪府高槻市原3301-1
- TEL:072-688-0788
- 料金:3,000円
- 予約:インターネット
- ホームページ
三井寺(みいでら)
正式名称は「長等山園城寺(おんじょうじ)」と言い、天台宗寺門派の総本山となっていますとなっています。
ここでは山伏の心得など修験道について解説してもらえるほか、自分たちも山伏の装束を身につける事が出来ます。
- 日時:随時(法要並びに予約状況によるため要確認)
- 住所:滋賀県大津市園城寺町246
- TEL:077-522-2238
- 料金:10,000円(衣装・昼食・保険代含む)
- 予約:インターネット
- ホームページ
高尾山
1泊2日の体験修行です。
高尾山ならではの滝行や山中を歩く回峯行、ひたすら般若心経を唱える千巻経など本格的な修行を体験する事が出来ます。
- 日時:年2回(夏と秋)
- 住所:東京都八王子市高尾町2177
- TEL:042-661-111
- 料金:15,000円(保険代含む)
- 予約:はがきにて(H.Pよりダウンロード可能)
- ホームページ
まとめ
いかがでしたでしょうか。
山々に囲まれた日本ならではといった感じですよね。
もし、次に山に登る機会があれば、少し深呼吸をしてみてください。
どことなく厳かな気持ちになり、力がみなぎってくるかもしれませんよ。
その力の源は…!?