陰陽師の代名詞と言っても過言ではない、『安倍晴明(あべのせいめい)』という名前を、一度は聞いたことがあると思います。
安倍晴明について残された逸話は、古くから人々の心を震わせ、現代においても映画、漫画、小説など様々なメディアでも題材として取り上げられるほどです。
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この安倍晴明に関しては、魔法使いのような不思議な術を使い、敵と戦うといったように描かれることが多いため、伝説上の架空の人物と思っている人もいるかもしれません。
しかし、安倍晴明は平安時代に陰陽師として活躍していた、歴史上実在した人物で、京都には安倍晴明を祀った晴明神社もあります。
今回は安倍晴明がどんな人物なのかについて、
『伝説の陰陽師』安倍晴明まとめ【子孫がマサカの・・・】
をお送りします。
伝説的陰陽師『安倍晴明』
冒頭にも述べたように、安倍晴明は平安時代に活躍した陰陽師です。
当時の陰陽師の多くは、陰陽寮と呼ばれる朝廷管理の組織に属していましたが、安倍晴明も陰陽寮に属する人物で、特に天文に関して長けた人物だったようです。
現代メディアにおいては、派手な呪術を使いこなす陰陽師として描かれることが多い人物ですが、史実上の記録でも次のような記録が残っています。
- 皇太子の命で、天狗を封じる儀式を行う
- 1004年、深刻な干ばつが起こった際に雨乞いの儀式を行い、雨を降らす
これ以外にも様々な儀式を行った記録や、天文観測から人間界の吉凶を占い天皇に進言した、などの記録が多数残っています。
安倍晴明は陰陽師として、当時から名声を極めていましたが、陰陽寮のトップに就くことはなく、代わりに陰陽寮を離れて様々な官職を歴任し、確固たる地位を築いていくこととなります。
このような安倍晴明の多岐にわたる活躍により、『安倍家』は陰陽道の代表的な宗家として陰陽道の世界を独占的に支配することとなりました。
様々なメディアに登場する安倍晴明
冒頭にも述べたように、安倍晴明は様々なメディアに登場しています。
多くの場合、正義の味方として描かれることが多いのですが、例えば漫画『ぬらりひょんの孫』では、悪役として描かれるなど、幅広い役柄で活躍しています(笑)
数ある安倍晴明に関する作品の中でも、外すことができないものが小説『陰陽師』です。
作家、夢枕獏による伝奇小説で、安倍晴明の活躍をシリーズ作品として多数出版しています。
この小説をもとに、TVドラマ化、映画化、漫画化、舞台化が多数行われており、現代の安倍晴明像に対し、最も大きな影響を与えた作品と言えます。
映画化されたもので言えば、2001年に映画【陰陽師】が公開されています。
野村萬斎が演じる安倍晴明の活躍を描いた映画で、2003年には続編『陰陽師II』も公開されています。
他のキャストには、海猿で有名な『伊藤英明』や、スカッとジャパンで有名な『木下ほうか』、不倫議員で有名な(笑)『今井絵理子』なども登場しています。
ちなみに、この映画陰陽師のサウンドトラックを用いて、羽生結弦選手が男子史上初の3連覇を達成しています。
このフリー演技の題名が『SEIMEI』で、安倍晴明をイメージして、羽生結弦選手自ら命名しました。
安倍晴明のライバル『芦屋道満』
安倍晴明に関する逸話の中で、度々、登場するライバル陰陽師がいます。
そのライバルは『芦屋道満(あしやどうまん)』という人物で、映画陰陽師にも安倍晴明のライバル役として登場しています。
※蘆屋道満、道摩法師(どうまほうし)とも。
安倍晴明が活躍した当時、陰陽師は陰陽寮と呼ばれる朝廷が管理する組織には属していました。
しかし、芦屋道満は陰陽寮には属さない、いわば『野良陰陽師』です。
そして晴明に関する逸話の中で多くの場合、悪役として登場しています。
安倍晴明がアンパンマンだとしたら、芦屋道満はバイキンマンといった感じですね。
ただ、芦屋道満に関しては、国の管理する陰陽寮に属していなかったせいか、当時の文献には記録がなく、安倍晴明の伝説を引き立てるための、架空の人物だったのではないかという意見もあります。
実在した人物かどうかの真偽は分かりませんが、芦屋道満に関する逸話や、日本各地に「蘆屋塚」「道満塚」「道満井」の類が数多く残っているのも事実です。
個人的には、芦屋道満も実在していて、漫画や小説のように、呪術で安倍晴明と戦っていたとかだったら面白いとは思いますね。
安倍晴明の子孫がまさかの・・・
安倍晴明など歴史上の著名人に関して、多くの人が関心を寄せるのが、【子孫は誰か】ということです。
例えば、織田信長の子孫にあたる織田信成さんも、TVでは織田家の子孫として注目を集めましたよね。
安倍晴明についても同様に、その子孫について、関心を寄せる人は多くいます。
そして調べてみると、まことしやかに噂されているのが・・・
【安倍晋三が安倍晴明の子孫】という説です。
その根拠となっているのは次のようなものです。
- 安倍晴明と関係の深い『安倍文殊院』に、「第90代内閣総理大臣」と書かれた献灯碑がある
- 安倍総理の母親が、「安倍晴明を誇りに思う」と挨拶したことがある
- 日本でも比較的数の少ない『安倍』姓である
噂の真偽は、、、
さて気になるのがその噂の真偽についてですが、
恐らく【ガセネタ】と考えられます。
その理由は簡単で、安倍晴明の直接の子孫は、14代目以降『安倍』ではなく、『土御門』を名乗るようになっているためです。
直接の子孫であれば『土御門』の姓でなければおかしいということですね^^;
ただ、元は同じ安倍姓なので、ルーツを辿っていけば、安倍晴明と安倍総理は、ルーツを同じくしている可能性はあります。
安倍総理は2013年に岩手県の講演で『自分は安倍貞任の子孫』という旨の発言をしているそうです。
この、『安倍貞任(1019年-1062年)』の家系は安倍晴明(920年-1005年)の家系とルーツを同じくする、いわゆる遠縁にあたります。
しかし、ルーツが同じといっても、500年程遡らないと家系が交わらないのですが(汗)
参考:http://www.eonet.ne.jp/~academy-web/keifu/keifu-abe-tsuchimikado.html
安倍首相は安倍晴明の『子孫』ではなく、『遠縁の子孫かもしれない』ということですね。
ちなみに、安倍晴明の直系の子孫である安倍氏嫡流土御門家は、平成まで続いていたようですが、平成5年に当主が亡くなり途絶えてしまったようです。
一方、土御門家から分流した倉橋家の家系はまだ続いているようなのです。
ただ、途中で養子なども入っているようなので、安倍晴明の血筋を引く子孫はもういないのかもしれません
まとめ
安倍晴明は小説や映画などのメディアの中だけでなく、史実上でも、占術や呪術によって朝廷に貢献した記録が残っています。
その効果の真偽はわかりませんが、安倍晴明が陰陽師以外にも様々な官職に就き、様々な逸話を残していることを考えると、本当に不思議な力を使いこなしていたのかもしれませんね。
安倍晴明の血筋としては、もう途絶えてしまっている可能性が高いのですが、安倍晴明の伝説自体はまだまだ後世に続いていくことでしょう。