あなたの「宗派」はどちらですか?
日本において信徒が大勢いる宗教である仏教。
仏教と一言でいっても多くの宗派が存在しています。
そして各宗派によって特徴があるのです。
今回は仏教の宗派についてまとめます。
仏教13宗と18宗
現代にも引き継がれている、日本の伝統仏教の宗派は「13の宗派」と言われています。
それらをまとめて「13宗」と呼びます。
ちなみにもっと細かく分けると正確に書くと「13宗56派」と、もっと数えきれないほど・・・
現存の「13宗」に至るまでには、かつては存在してしていたが、途中で衰退してしまった宗派なども多くあります。
過去にも存在していたメジャーな宗派も数えると18の宗派となります。
それらはまとめて「18宗」と呼ばれています。
さらに、この18宗についてはいくつかの系統に分類することができます。
仏教の主な宗派18宗
日本の仏教を系統に分類すると大きく6つに分けられます。
仏教の系統
- 奈良仏教系
- 密教系
- 法華系
- 浄土系
- 禅系
- 修験道系
※諸説あります
順に見ていきます。
1.奈良仏教系(南都六宗)
主に日本に仏教が伝わった初期に繁栄した系統です。
奈良時代に始まった宗派のことを「奈良仏教」と呼んでいます。
奈良仏教の中でも特に栄華を極めた宗派が6つあります。
それら宗派は「南都六宗」と呼ばれています。
奈良仏教系
- 法相宗:開祖:道昭|本山:興福寺・薬師寺
- 華厳宗:開祖:審祥|本山:東大寺
- 律宗 :開祖:鑑真|本山:唐招提寺
- 三論宗:衰退
- 成実宗:衰退
- 倶舎宗:衰退
2.密教系(平安二宗)
「密教」というとアンダーグラウンドな響きですが、そういうわけではありません。
一言でいうなら、それまでの仏教で語られる仏の教えを、更に深読み、発展させた仏教といえます。
ちなみに平安二宗とは真言宗、天台宗のことを言います。
3.法華系
密教の中でも台密と呼ばれる天台宗から派生した系統です。
3.浄土系
天台宗の恵心僧都(えしんそうず)の浄土思想を発展させた系統です。
浄土系
- 浄土宗 :開祖:法然|本山:知恩院
- 浄土真宗 :開祖:親鸞|本山:西本願寺・東本願寺
- 融通念仏宗:開祖:良忍|本山:大念仏寺
- 時宗 :開祖:一遍|本山:清浄光寺・無量光寺・日輪寺・金連寺
4.禅系
禅に重きを置いた系統です。
禅系
- 臨済宗:開祖:栄西|本山:南禅寺・京都五山・鎌倉五山
- 曹洞宗:開祖:道元|本山:永平寺・総持寺
- 黄檗宗:開祖:隠元|本山:萬福寺
- 普化宗:1871年解体/1950年宗教法人として普化正宗明暗寺が再興
修験道系
仏教、密教、山岳信仰などを合わせて解釈した日本独自の系統です。
修験道系
現在の13宗一覧
18宗あった宗派ですが、廃止や衰退、分派の影響で現在は13宗になります。
現在の13宗は以下の通りです。
13宗
- 法相宗
- 華厳宗
- 律宗
- 真言宗
- 天台宗
- 日蓮宗
- 浄土宗
- 浄土真宗
- 融通念仏宗
- 時宗
- 臨済宗
- 曹洞宗
- 黄檗宗
まとめ
今現在、日本仏教の主流は13宗です。
文献によっては14宗とすることもあるようですが、一般的には13宗が主流ではないでしょうか。
この13の宗派が広まったきっかけには、日本の歴史、とりわけ政治的な側面も関係しています。
「宗教」と「国」がいかに密接な関係にあるのかを改めて感じますよね。
世界でも宗教問題で戦争/紛争に発展するということは珍しくありません。
宗教観念の低い日本人からしたら「なぜ宗教ぐらいで戦争?」と感じてしまうかもしれません。
しかし、信仰という概念は国を動かすぐらい強いものなのです。