「仏法」という言葉を知っていますか?
本来「仏法」というのは、仏が説いた教えのことです。
また、仏教そのものを指す場合もありあます。
しかしながら、創価学会や顕正会の新興宗教団体では、何やら怪しげな使い方をしているんです。
今回は、創価学会と顕正会の仏法や、対立関係にあるという日蓮正宗(にちれんしょうしゅう)との関係についてまとめました。
創価学会と顕正会
まず、創価学会と顕正会について、それぞれ簡単に見ていきましょう。
創価学会とは
創価学会は、日蓮大聖人(にちれんだいしょうにん)の仏法を信奉する団体です。
1930年に発足し、国内の信者が827万世帯、海外にも192か国・地域の会員がいるとも言われています。
芸能人にもたくさんの信者がいることで知られていますね。
創価学会の特徴は、お題目「南無妙法蓮華経」を唱えることです。
日蓮大聖人の仏法を広め、平和な世界の実現を目標としています。
創価学会は、他宗教への強い批判や、強引な勧誘をする団体としても知られていますね。
顕正会とは
顕正会は正式名称を富士大石寺顕正会と言い、日蓮正宗を信仰している団体です。
1957年に発足し、信者数は約213万人と言われています。
ただ、この数字は入信報告者の数で判断しているとのこと。
退会者の分を減らしていないため、実態よりもかなり多くなっているようです。
顕正会の特徴もお題目「南無妙法蓮華経」を唱えることで、日蓮大聖人の仏法を実践しています。
顕正会の教えについて詳しくは公開されていないものの、「顕正会に入らなければ地獄に落ちる」という過激な考えがあります。
折伏(布教活動)
創価学会と顕正会に共通しているのは、布教活動を「折伏(しゃくぶく)」と呼んでいることです。
折伏とは、相手の間違った思想や信仰を指摘し、唯一の正法に帰依させるというものです。
顕正会では「一切の邪法を捨てて、南無妙法蓮華経と唱えましょう」としているようです。
何だか強引な感じもしますよね。
創価学会は、過去に「折伏大行進」と呼ばれる大規模で過激な勧誘運動が社会問題になりました。
日蓮正宗/創価学会/顕正会の関係
創価学会と顕正会の解説には「日蓮大聖人」や「日蓮正宗」という言葉が出てきました。
そもそも、創価学会と顕正会は、日蓮正宗の一派でした。
注意ポイント
日蓮正宗とは、これまた日蓮宗から対立分派した宗派となります。
創価学会と顕正会はさらに分派、独立した新興宗派と言えるでしょう。
しかし、現在は両方とも日蓮正宗から破門されています。
その辺りを解説していきますね。
日蓮正宗とは
まず、日蓮正宗とは、日蓮聖人の遺言を信奉している仏教の宗派です。
静岡県富士宮市の大石寺を総本山としています。
また、創価学会や顕正会と同じく「南無妙法蓮華経」の題目を唱えます。
日蓮聖人の入滅後、6人の弟子の内の1人が立ち上げた宗派です。
日蓮正宗は日蓮宗の中でも排他的で、自分たちが正しいという姿勢を持っています。
創価学会と顕正会の排他的な性格も、日蓮正宗から来ているのかもしれませんね。
3者の対立構造
実は、そんな日蓮正宗・創価学会・顕正会は、それぞれ攻撃し合っているんです。
そもそも、創価学会の初代会長である牧口常三郎氏は、日蓮正宗に入信していました。
また、後の顕正会となる妙信講(みょうしんこう)も、日蓮正宗の信徒団体した。
元々は創価学会と妙信講が日蓮正宗を支えていたのです。
それぞれが分裂したきっかけは、日蓮正宗の「国立戒壇(こくりつかいだん)」という主張でした。
国立戒壇とは、国を守るために、日本政府が国家として日蓮宗の会館を作るべきだという主張です。
つまり、国全体が日蓮宗を信仰すべきだという過激な思想です。
しかしながら、創価学会は途中で国立戒壇の考えを辞めると言い出し、妙信講が反発。
それを受け、1974年に日蓮正宗は妙信講を破門しました。
理由は、日蓮正宗が創価学会の肩を持ったためと言われています。
その後、1991年には創価学会が日蓮正宗から独立しようとしたため、結果的には破門されることになります。
ただ、元々は同じ日蓮正宗なので、教義などは似ているのですね。
そして現在では、日蓮正宗・創価学会・顕正会は別々の宗教として活動し、お互いを批判している形となっています。
創価学会と顕正会の「仏法」がやばい理由
創価学会と顕正会は、日蓮大聖人の「仏法」を実践し、世界に広める活動をしています。
その「仏法」がやばいと言われる理由を以下のようにまとめました。
注意ポイント
- そもそも日蓮正宗から破門されている
- 「仏法を広めるために何をしてもいい」という考え方
- 仏法を教団のお金集めに利用している
順番に見ていきましょう。
1.そもそも日蓮正宗から破門されている
そもそも、創価学会も顕正会も、日蓮正宗から破門されています。
それにも関わらず、「日蓮大聖人」や「日蓮正宗」という言葉を使っています。
破門されているので「日蓮正宗」の仏法とは言えないと考えるのが普通ですよね。
その理由は謎なのですが、どの宗派も自分が正しいのだと強く主張しています。
2.「仏法を広めるために何をしてもいい」という考え方
創価学会と顕正会は、先述した「折伏」と呼ばれる布教活動を行い、仏法を広めようとしています。
信者を増やすためには、手段を選ばないこともあります。
創価学会は、貧しい人や病人などの弱者を狙って勧誘をしていた過去もあります。
顕正会は、「顕正会に入らなければ地獄に落ちる」という根拠のない批判をしてきます。
こういった「仏法を広めるために何をしてもいい」という考え方は危険ですよね。
3.仏法を教団のお金集めに利用している
仏法を教えるふりをして、教団のお金集めに利用しているケースもあります。
仏法を信じて入信した人を、ある意味マインドコントロールするような形で献金を集めているのです。
仏法を広めようという考えよりも、お金集めに目的が変わってしまうのは、怖いですよね。
まとめ
今回は、創価学会と顕正会の仏法や、日蓮正宗との関係についてまとめました。
どの宗教団体も、元々は同じ思想を持っていたものの決別し、攻撃し合っていることがわかりました。
創価学会も顕正会も、他の宗教を批判する性格の宗教なので、なかなか良い噂を聞きません。
ですが、どちらも規模の大きい宗教団体です。
彼らの教義についての理解は持っておいてもいいかもしれませんね。