引用:大乗教
新興宗教の1つに「大乗教」という宗教団体があります。
仏教の一派である「大乗仏教」と名前が似ており、間違えてしまいそうですよね。
「大乗」という言葉のとらえ方は同じものの、「大乗仏教」とは別物なんです。
今回は、大乗教がどのような宗教団体なのか、どんな教えがあるのかをまとめました。
大乗教とは
概要
- 立教:1914年
- 教祖:杉山辰子(たつこ)
- 信者数:約25万人
- 本部:名古屋市熱田区
- 経典:法華経
大乗教(だいじょうきょう)は、杉山辰子氏が立教しました。
1914年、名古屋市に大乗教の基礎となる、仏教感化救済会(ぶっきょうかんかきゅうさいかい)を設立。
それ以来、杉本氏は孤児や貧困者、身心障害者等の手助けをしたり、ハンセン病患者の救済に身を捧げてきました。
また、災害が起こった時には物資を持って現地へ赴き、手助けをしていたそうです。
1932年の杉山氏の死後、複数の団体が遺志を継ぎ、1946年東京に「大乗教会」を設立。
1948年には名古屋市熱田区に、宗教法人「大乗教」が設立されました。
現在は、名古屋市熱田区が総本山となっています。
ちなみに、大乗教では杉山氏を教祖とし、各教会ごとに会長が存在しているようです。
大乗教は、法華経の真理に基づく、在家(ざいけ)仏教の教団です。
いずれの宗旨、宗派に属するものではありません。
ポイント
在家とは、家を出て仏道の道に入る出家に対し、家庭で普通の生活を営みながら仏道に帰依することです。
教会や支部を合わせると、全国に30以上の施設があります。
西日本に多く、特に発祥の地である愛知県に多いです。
また、インドにも大乗教インド別院があります。
大乗教の特徴
では、実際に大乗教の特徴を見ていきましょう。
特徴
- 法華経を読誦
- 大乗教の三大原則
- 相手を思う心が大切
以上の3点について解説します。
1.法華経を読誦
大乗教では、朝夕に法華経を読誦(どくじゅ)します。
法華経を「慈悲(じひ)・誠・堪忍」の「三徳(さんとく)」の教えとしてとらえ、日常生活の中でに実践しているのです。
- 慈悲:自分をさしおいて、まず相手のことを思うこと
- 誠:誠心誠意を尽くすこと
- 堪忍:腹を立てず、常に南無妙法蓮華経を唱えること
迷いの心を無くすため、教祖杉山辰子氏の示した大乗の教え(法華経)を聴いて体得せよ、とされています。
2.大乗教の三大原則
大乗教の三大原則とは、以下のように定められています。
三大原則
- 顔は心の看板なり
- 病気は心の現れなり
- 子供は親の心の鏡なり
それぞれ見ていきましょう。
1.顔は心の看板なり
わずかな心の動きが、顔に現れるということです。
優しい心の人は人相も柔和になり、人に良い感じを与えます。
2.病気は心の現れなり
人間は、肉体と精神によって生きています。
健全なる精神と、規則正しい生活が健康な体にします。
3.子供は親の心の鏡なり
子供は、親の分身とも言われます。
「親は針の如く子供は糸の如し」と言われ、良い子供は良い親によって育ちます。
3.相手を思う心が大切
「慈悲」の言葉にも現れているように、大乗教では相手を思う心を大切にしています。
人間は欲にとらわれると、どうしても自分本位になります。
一番大切な自分をさしおいて、まず相手のことを思う心が大切なのです。
仏教における大乗と小乗
仏教は、大乗と小乗(しょうじょう)の教えに区別することができます。
大乗とは、「大きな乗り物」と説明できます。
一方で、小乗は「小さな乗り物」となります。
現在では、小乗の言い方は、下に見ている差別用語として、不適切な表現とされることも多いです。
大乗は個人の幸福だけでなく、他人の幸福をも考え、人を救うという思想です。
大乗とは反対に小乗は、自己の迷いを除き、修行をすることを言います。
大乗教では、世の中をより明るくするという使命の元、相手を思う心を大切にして活動しているんですね。
大乗教総本山の異質な建物がやばい
名古屋市熱田区に、大乗教の総本山があります。
これまで見てきたように、活動や理念は素晴らしく感じるものですが・・・・・・・・
建物の外観は「やばい」の一言です。
名古屋近辺の方は、住宅街の中にある異質な建物を見たことがあるのではないでしょうか?
普通の住宅街に、一風変わったインド風の建物がそびえ立っています。
住宅地にいきなりデン!とでてくると異様ですよね。
先述したように、大乗教はインドにも大乗教インド別院を持っています。
教祖の杉山氏も「仏教の原点(インド)に戻って、全世界に法華経の教えを広げていこう」という志があったようです。
そういった理由から、インド風の建物にしたのかもしれませんね。
それにしても、なかなか目を引く建物ですよね。
大乗教に入信している芸能人
大乗教に入信しているという芸能人、有名人の噂は特に聞きません。
いないのか公表していないのかは不明ですが、特に悪い噂は聞かない宗教なので、目立たないのかもしれません。
勧誘を活発にしているという話も、聞きませんね。
まとめ
大乗教の成り立ちや活動を見ている限り、特に危険な宗教には見えません。
とはいえ、安易に宗教団体に入るのはおすすめしません。
きちんと判断した上で、入信するようにしましょう。
大乗教総本山は、一般の人でも参拝することができます。
あの建物に興味がある方は、行ってみるといいかもしれませんね。