伊勢神宮を本宗とし、日本全国約8万社の神社を包括している、神社本庁。
普段、何気なく参拝している神社も、神社本庁と被包括関係である可能性が高いですね。
そんな神社本庁には、何やら闇があると言われています。
さらに、過去に数多くの事件や不祥事を起こしているとは、聞き捨てならないですよね。
今回は、神社本庁がやばいと言われている原因となる出来事をまとめました。
不動産不正取引問題
一部の幹部が私服を肥やした一件がありました。
不動産不正取引問題とは
2005年、神社本庁職員のための「百合丘職舎(神奈川県川崎市)」を売却し、一部の幹部が「土地転がし」を行っていたことが明らかになりました。
土地転がしとは、値上がりの見込める土地を買い、転売して買い戻すことを繰り返し、最終的に高額で売却して利益を得る行為です。
具体的には、「百合丘職舎」を関係者に安値で売り、それを買い取った業者が即日第三者に高額で転売していました。
それにより、一部の幹部が業者とつるんで私腹を肥やしていたのです。
首謀者は、当時の総務部長の小野崇之氏と、秘書部長です。
職舎の売却資金で渋谷区代々木の高級マンションを購入し、秘書部長が入居しました。
また、小野氏は2016年2月に宇佐神宮(大分県)の宮司に栄転しています。
怪文書がバラ撒かれる
神社本庁には、象徴的な存在の「統理」、実質的に神社本庁を動かしている「総長」が存在します。
不動産不正取引問題をめぐり、総長である田中恆清氏(石清水八幡宮宮司)を非難する怪文書がバラ撒かれました。
さらに、幹部職員2名からは不正疑惑を糾弾する告発文書が提出されました。
しかし、神社本庁が設置した調査委員会は、その疑惑を否定。
そして、2名に懲戒処分を下します。
2名の幹部職員が、懲戒処分の無効を求めて提訴するまでに至っています。
また、不動産不正取引問題や怪文書バラ撒きを受け、総長が辞意を表明しました。
しかし、すぐに撤回されます。
それに対し、統理(鷹司尚武氏、昭和天皇の甥)が厳しい批判をします。
一度辞意を表明したことに対する責任感のなさや、不動産不正取引に関して田中総長ら幹部の責任を追及したんですね。
しかし、総長を非難した統理に対しても、名指して罵倒するような怪文書が飛び交っているそうです。
神社本庁内部でも疑問と不満が溜まっていることが露呈した一件ですね。
宮司人事問題
全国の神社の人事権は、神社本庁にあります。
そのため、多くの神社では宮司の人事権をめぐり、問題が起きています。
宇佐神宮(大分県)でのトラブル
宇佐神宮は、全国約44,000社の八幡神社の総本社で、日本三大八幡宮の1つです。
その宇佐神宮では、先代の宮司が亡くなったため、世襲家の到津(いとうづ)家で唯一の末裔となった女性が急遽、神職の資格を取得しました。
その上で、女性が宮司になるまでの中継ぎ役として、当時の県神社庁長が宮司を務めていました。
しかし、すぐに中継ぎ役が亡くなってしまいます。
普通に考えれば、女性が宮司になりそうなものですが、それを神社本庁が拒否します。
そして宮司になったのが、疑惑の不動産取引を主導した神社本庁幹部の1人とされる、前総務部長の小野崇之氏なのです。
まさに、神社本庁の乗っ取りですよね。
宇佐神宮の責任役員会は、女性を新しい宮司にという推薦(具申)を行いましたが、叶いませんでした。
これを不服とした女性が、2009年に神社本庁に離脱届を叩きつけ、2010年には宮司の地位保全を求めて提訴しました。
ところが、2013年に最高裁で敗訴が確定し、翌年に女性は宇佐神宮から解雇されてしまいました。
富岡八幡宮(東京都)のトラブル
2017年12月に富岡八幡宮で起きた殺人事件は記憶に新しいと思います。
宮司である富岡長子氏が、元宮司の弟である富岡茂永とその妻に日本刀で襲われ、命を落とした事件です。
この事件は、神社本庁と神社界がおかれている状況を象徴していると言われています。
というのも、2017年9月に富岡八幡宮は神社本庁から離脱しています。
その理由は、女性宮司の就任について、長いこと富岡八幡宮と神社本庁の間でトラブルになっていたからです。
こちらも、宇佐神宮と同様、富岡八幡宮の責任役員会の具申を神社本庁が無視し続けたのです。
事件の背景にもそのことが深く関わっていたようです。
さらに事件後、神社本庁が、傘下の神社に事件のコメントを封じるかのような文書を送ったことも明らかになっています。
東日本大震災時の不祥事
伊勢神宮は、天皇家に代わり、神事に欠かせない神の米である「御料米(ごりょうまい)」を栽培しています。
東日本大震災発生時、御料米を被災地支援のために神社本庁を介して送りました。
しかし、神社本庁がその一部を伊勢神宮や被災地に知らせないまま、職員に配ってしまったのです。
御料米の職員配布を決定し、これが露見しかけると全職員に口止めをしたのが、なんと小野氏なのです。
不動産の不正取引や、宇佐神宮に天下りした人物ですね。
何やら怪しい雰囲気が漂っていますね。
まとめ
神社本庁がやばいと言われる理由をまとめました。
それぞれの事件や出来事を見てみると、確かに「風通しの良い組織」とは言い難いですよね。
最近「上級国民」という言葉が話題になっていますね。
地位や名誉を振りかざしている神社本庁の一部の幹部職員にも、まさに当てはまる気がしてなりません。
私たちにとって身近な神社であるがゆえに、きちんと運営をして欲しいものですね。
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