キリスト教に次ぎ、世界で2番目に信者の多いイスラム教。
預言者ムハンマドが、西暦610年にアラビア半島で啓示を受け、布教を開始しました。
そんなイスラム教の聖典が、「コーラン」です。
あまり馴染みがないですよね。
今回は、
ポイント
- コーランとは何か?
- コーランの内容
- コーランと聖書の違い
といった内容をまとめました。
イスラム教について詳しくない方でも、この記事を読めは理解できますよ。
コーランとは?
コーランは、イスラム教の唯一絶対の神(アッラー)から、預言者であるムハンマドに下された啓示をまとめたものです。
ムハンマドの生前から死後にかけてまとめられ、現在は114章からなっています。
日本では「コーラン」として知れ渡っていますが、実は正式名称は「クルアーン」なんです。
※この記事では、「コーラン」と記述していきます。
クルアーンは、アラビア語で「唱えるべきもの」を意味しています。
つまり、コーランは声に出して読むものなんですね。
なんとコーラン114章を全文暗記している人もいるそうですよ。
コーランはアラビア語で唱えることを前提としているため、アラビア語以外で書かれたものは聖典としては扱われません。
翻訳によって、本当の意味とは異なってしまうことを懸念しているんですね。
声に出すべき、というと、仏教でいうところの、浄土宗や日蓮宗などとも近いものと言えそうです。
コーランの内容
コーランの内容をわかりやすくまとめると、
- 唯一神アッラーの信仰
- 最後の審判
- 六信五行
について書かれています。
「唯一神アッラーの信仰」は、アッラー以外に神はいないと信じるということです。
要は、イスラム教は一神教であるとも言い換えられます。
今回は、「最後の審判」と「六信五行」について詳しく見ていきましょう。
最後の審判とは?
コーランには「終末の日」に関する記述が多々あります。
終末の日になると、
- 生きている者
- 死んでいる者
に関係なく、すべての人が生き返るとされています。
そして、アッラーにより「最後の審判」にかけられることになります。
最後の審判とは、唯一神アッラーに対して「生きている時にアッラーを信仰していたかどうか」を本人の口から語らせることです。
そこで、生きている間の善行と悪行が天秤にかけられます。
そして来世において、
- 天国へ行くか
- 地獄へ行くか
が決定されるのです。
六信五行とは?
六信五行とは、イスラム教徒が信じるべき六つの信条と、実行するべき五つの義務をまとめたものです。
六信とは、以下の通り。
- 唯一神:アッラー以外に神はいないと信じる
- 天使:アッラーの命令を忠実に実行する天使の存在を信じる
- 啓典:預言者に下された教典を信じる
- 預言者:アッラーから送られた預言者が存在していたことを信じる
- 来世:死後の世界の存在を信じる
- 定命:すべての人間の運命はアッラーの定めた天命と信じる
つづいて、五行です。
- 信仰告白(シャハーダ):「アッラーの他に神は無い。ムハンマドは神の使徒である。」と証言する
- 礼拝(サラー):1日5回、メッカに向かって礼拝をする
- 喜捨(ザカート):収入の一部を困窮者に施す
- 断食(サウム):9月(ラマダーン)の日中、飲食を慎む
- 巡礼(ハッジ):必須ではないが、聖地メッカへの巡礼をする
事細かく信仰について定められているのです。
コーランと聖書の違い
コーランをさらに深く理解するために、世界中でもっとも読まれている聖書と比較してみましょう。
コーランの内容は、ユダヤ教の「旧約聖書」やキリスト教の「新約聖書」と共通する部分があります。
特に、旧約聖書の内容と似通っていると言われています。
そもそもイスラム教とキリスト教には、一神教という共通点があります。
しかし、信仰している神の対象がちょっと違っています。
ポイント
- イスラム教:アッラーを神として信仰しており、預言者のムハンマドとは区別
- キリスト教:預言者(イエス・キリスト)を神の子と見なして信仰
さらに、コーランと聖書の構成も異なっています。
- 聖書:物語風に話が進んで行く
- コーラン:行動規範集のようなもの
そもそもコーランは暗唱するものとして書かれているため、このような違いがあるのです。
また、コーランには厳格な決まりがあります。
- コーラン:アラビア語以外で書かれたものは、聖典としては扱われない
- 聖書:翻訳されていても、聖典として扱われる
宗教の聖典でも、このような違いがあるんですね。
まとめ
日本人にはあまり馴染みのない、イスラム教。
礼拝や断食など、断片的な知識しかない人も多いと思います。
コーランを読むと、彼らが何を大事に行動しているかがわかりますよ。
イスラム圏に旅行へ出掛ける際は、きちんと予備知識として学んでおきましょうね。