見た目も似ているし、どちらも大変よく知られていますが・・・
はっきりした違いや意味を知っている人は少ないのではないでしょうか。
その違いを詳しく見ていきましょう。
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狛犬とシーサーの違い
狛犬とシーサーは歴史や意味など実に様々な違いがあります。
ポイント
- 由来
- 意味
- 置かれている場所
- 色
- 大きさ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.由来について
起源はどちらも古代インドになります。
細かい違いを見ていきましょう。
狛犬の起源
狛犬の起源は古代インドの頃。
仏像を守る守護神のライオン像が始まりとして伝わっています。
中国に伝わったライオン像が獅子に姿を変え、朝鮮半島を経由し、飛鳥時代の仏教伝来時に日本へ伝わった説が有力です。
実は狛犬が二体ではなく、獅子と狛犬という組み合わせなのです。
獅子は中国から伝わったものであり、現在では狛犬と獅子が揃うことで「狛犬」と認識されています。
シーサーの起源
違いと言っても、厳密には異なるものの、実はシーサーの起源は狛犬とほぼ同じです。
いわゆる親戚みたいなものですね!
シーサーも中国から伝わってきたのは同じです。
琉球王国に伝わった時代は、狛犬よりもかなり後(1600年代後期)になってからです。
シーサーは沖縄の方言で獅子のこと。
シーサーは左右共に獅子の姿をしていて、雄と雌で区別します。
2.意味と役割の違い
ともに人々を守護する役目は同じですが、微妙にその役割が異なります。
狛犬の意味と役割
狛犬は、神前の守護獣としての役割を持っています。
最初は天皇の守り神とされていましたが、次第に世間にも浸透していきました。
向かって右側が口を開いた「阿像」の獅子。
左側が口を閉じた「吽像」の狛犬。
二体で「阿吽」を表しています。
阿吽とは「阿吽の呼吸」のこと。
仏教では始まりと終わりを意味することであり、一対となるものを表しています。
狛犬には角があるので、見分けがつきます。
シーサーの意味と役割
シーサーも魔除けや守り神といった役を担います。
ですが、幸運をもたらすと言われている点が狛犬との違いと言えるでしょう。
狛犬に比べ、家庭的・庶民的な位置づけにあります。
沖縄ではシーサーは身近な守り神として人々に親しまれている存在なのです。
シーサーは、向かって右側が口を開けて悪霊を追い払う雄。
向かって左は口を閉じて福を招く雌のシーサーです。
雄雌で、それぞれに役割が異なるのですね。
また、最初は左右とも同じ姿をしてました。
ですが、沖縄独自の様式や仏教の影響から、狛犬のように阿吽の形式を取り入れて作られていくように変化していきました。
また風水の思想を取り入れていて、牛(南)の方角へ向けると火事を防ぎ、丑寅(北東)の方角へ抜けると水難防止になると言われています。
3.置かれている場所の違い
- 狛犬:神社仏閣の入り口
- シーサー:建物の門/民家の屋根/高台など
狛犬が民家にあるのって、全くないとは言いませんが、珍しいですよね。
その多くは寺社仏閣におかれていることが一般的です。
対して、シーサーは、一般的に親しまれているもので、民家に置かれていることが多いです。
4.色の違い
- 狛犬:石やコンクリート製で着色なし
- シーサー:黒土と赤土によって作られる/赤茶色/着色することも
狛犬もシーサーも、屋内での置物として利用する場合には、カラフルに着色されたかわいいものが多いです。
もともとの置き場所は、どちらも屋外が想定されていますから、あまり着色されず、素材の色のものが多いですね。
5.大きさの違い
- 狛犬:小型犬くらいから人の背くらいまであるものまで
- シーサー:狛犬よりも小さいものが多い
狛犬は寺社仏閣でドン!と存在感を出しているイメージが強いですよね。
対してシーサーは、民家の屋根などに置かれることが多いので、そこまで巨大なものは作られにくいです。
まとめ
狛犬とシーサーは起源が似ていたり、守り神や魔除けといった共通の役割を持っている部分もありました。
一方で、細かく違いを見ていくとそれぞれ奥深い歴史があるのですね。
寺社仏閣のお参りには狛犬。
沖縄旅行ではシーサー。
見かけた時、一緒にいる人にちょっとした豆知識を披露してみてはいかがでしょうか。
きっと楽しい話題になることでしょう。