仏教知識

お布施の相場はいくら?各種法事から宗派別戒名料まで金額目安を徹底解説!

更新日:

お布施 相場 金額

 

ある日、突然やってくる「死」。

急に最愛の方が亡くなった場合は、とくに気が動転して理解が追いつかないものです。

そんな時…さらに遺族を悩ませるのが、葬儀をとりおこなうお坊さんに支払うお布施(ふせ)の問題。

  • 「一体いくら包めばいいの?」
  • 「非常識だと言われない金額は?」

そんな悩みをハッキリ解決したい!ということで調査いたしました。

 

スポンサーリンク

 

 

お葬式でのお布施の相場と金額の目安

実は、お通夜・お葬式のお布施には決まった金額がありません。

本来お布施は仏教修行のひとつで、さまざまな功徳を積むことができる、善い行いだとされています。

お布施には、このようなルールがあるのです。

  • お布施を受けた人は、お礼を言わない。恩義も感じてはいけない。
  • お布施をおこなった人は、「施してやった」「これだけのことをしてやった」…と恩を着せるようなことを思ってはならない。

現代人にとっては、少し奇妙なルールかもしれません。

こんなルールがあり…お布施の金額は「お気持ちで」「無理のない程度で」などと言われるゆえんとなっています。

「それでは、お通夜・お葬式でお坊さんに払うお布施は、“お気持ち”の金額で良いんですね!」

…というわけにもいかないのが現実。

「葬儀・法要・相続 マナーと手続きのすべて」(主婦の友社 編、2016年)によると、

  • 葬儀一式費用・・・122.2万円
  • 飲食接待費・・・33.9万円
  • 寺院の費用(お経料、戒名料)・・・44.6万円
  • 合計・・・188.9万円

お通夜・お葬式には全国平均でおよそ50万円がお布施として僧侶に支払われています。

ほかにも諸費用(心づけなど)がかかりますので、総額ではこれ以上の金額が必要だと考えて良いでしょう。

 

寺院へ払う金額の内訳

葬儀を執り行う住職に支払う平均50万円のお布施は以下の二つに分けられます。

いずれも地域や宗派によって相場は大きく異なることに注意してください。

  1. 読経料…15万円〜30万円くらい
  2. 戒名料…20万円くらい〜上限なし

…はい、不穏な言葉が出てきましたね。

そうです、お布施がふくらむ最大の問題は、不明瞭きわまりない戒名料なのです。

 

「冠婚葬祭 おつきあいとお金のマナー」(早井千代子著、西東社、2006年)によれば、葬儀で僧侶に支払うお礼として、

  • 信士・信女…20〜40万円
  • 居士・大姉…40〜60万円
  • 院居士・院大姉…100〜135万円

戒名の位ごとに記載されています。

信士と院居士ではお値段に5倍の開きがありますね。

そして宗派や地域によってさらに幅があり、たとえば東京の寺院ではさらに高額になるケースもあるので、注意が必要ですよ。

 

スポンサーリンク

 

宗派ごとの戒名料の相場と目安

菩提寺の住職が師匠になり、故人さまをその弟子にして、仏弟子が守るべき戒律と名前を授け、安心とともに仏の世界に導くという儀式…それがお葬式。

戒名とは仏弟子である証明書と言えます。

 

地域や宗派、故人さまのお寺への貢献度などによって金額がまったく違うため、心配な方は菩提寺の住職に戒名料を直接尋ねてみましょう。

ポイント

例えば、

  • 生前、お寺の各種行事に毎回携わり、お布施もことあるごとにしていたAさん
  • 生前、お寺とは何の関わりもなく、檀家でもなく、葬儀で初めて依頼したBさん

このお二方がいた場合、同じ位だとしても、同じ金額にするのは明らかにおかしいですよね。

お位牌に刻まれる戒名は上からこのように分解されます。

  1. 院号(いんごう)…「●●院」と表記し、お寺(=院)を建てるほど菩提寺や社会に貢献した篤信の方に付与。
  2. 道号(どうごう)…故人さまの徳を表します。性格や職業・趣味を示すことも。
  3. 戒名(法名)…仏教徒としての名前。生前の名前から一字を取ることが通例。
  4. 位号(いごう)…年齢や性別、信仰の篤さなどを示します。

さらに位号は一般的に

  • 信士(しんじ)・信女(しんにょ)…一般的な檀信徒。男性は信士、女性は信女。
  • 居士(こじ)・大姉(だいし)…菩提寺や宗に貢献した篤信の方で、男性は居士、女性は大姉。
  • 大居士(だいこじ)・清大姉(せいだいし)…院号でさらに上の「院殿(いんでん)」が付与された特別な篤信者に送られる。

このように格や位が分けられています。

戒名は字数が増えるほど格が上がる=お布施が高額になる、と覚えておくと良いでしょう。

 

宗派によっては最上位の戒名である院殿大居士(いんでんだいこじ)・院殿清大姉(いんでんせいだいし)がありますが、いずれも金額は青天井なのでここでは言及しません。

それでは宗派ごとの戒名料、その大まかな目安をみていきます。

 

曹洞宗の戒名相場

  • 信士・信女…30〜50万円。
  • 居士・大姉…50〜80万円。
  • 院居士(いんこじ)・院大姉(いんだいし)…院号がついた居士・大姉、100万円以上。

曹洞宗は日本仏教のお葬式を形成しました。

最初に戒名をお葬式に取り入れたのは、中国・宋の時代の禅宗です(後述)。

日本ではその流れを組む曹洞宗が、おもに武士や大名に戒名を与えてお葬式を執り行いました。

 

一方で、曹洞宗以前の宗派…たとえば天台宗や真言宗などは、一般的にお葬式を担当しませんでした。

しかし江戸時代になって寺檀制度に組み込まれた伝統宗派は、檀家のお葬式をやらざるをえなくなったため、曹洞宗の葬儀作法を取り入れた経緯があります。

 

臨済宗の戒名相場

  • 信士・信女…30〜50万円。
  • 居士・大姉…50〜80万円。
  • 院居士・院大姉…100万円以上。

 

天台宗の戒名相場

  • 信士・信女…30〜50万円。
  • 居士・大姉…50〜70万円。
  • 院居士・院大姉…100万円以上。

お位牌には、戒名の上に大日如来を表す梵字が刻まれるのが通例なので、戒名料も多く取られている…ということはありません。

阿弥陀如来の梵字が刻まれることもあります。

 

真言宗の戒名相場

  • 信士・信女…30〜50万円。
  • 居士・大姉…50〜70万円。
  • 院居士・院大姉…100万円以上。

お位牌には天台宗と同じく戒名の上に梵字を刻みます。

ただし他宗派のように戒名の最後に「霊位」をつけず、「不生位」とつける場合があります。

 

日蓮宗の戒名(法号)相場

日蓮宗は戒名ではなく「法号(ほうごう)」と呼びます。

とはいえ、一般的に戒名の方が広く認知されていますので、誤ってお寺に戒名と言ってしまっても伝わることでしょう。

  • 信士・信女…10〜30万円。
  • 居士・大姉…30〜50万円。
  • 院居士・院大姉…100万円以上。

 

浄土宗の戒名相場

  • 信士・信女…30〜40万円。
  • 居士・大姉…50〜60万円。
  • 院居士・院大姉…70万円以上。

浄土宗の檀信徒は、増上寺やそれぞれの寺院で「五重相伝(ごじゅうそうでん)」という秘法を授かっていると、道号のまえに誉号(よごう)がつけられます。

 

浄土真宗の戒名(法名)相場

浄土真宗は戒名料をとりません。

阿弥陀仏の慈悲により死と同時に成仏するので、授戒も、引導の儀式も行なわないというのが浄土真宗の教義だからです。

 

ただし、生前に本山などで行われる「帰敬式」などで法名を授かることを勧めており、これがそのまま他宗でいう戒名と言って良いでしょう。

浄土真宗の法名は通常「釈●●」の三文字のみで、教団や菩提寺に特に貢献した方にはさらに院号がつくこともあります。

  • 釈3文字…20万円~30万円
  • 院釈…50万円~

 

お布施を渡すタイミングと渡し方

お通夜・お葬式でお坊さんにお布施を渡すタイミングは、これも地域によってバラバラです。

  • 通夜式の前、僧侶控え室での挨拶のときに
  • 通夜式の後、通夜振る舞いの前
  • お葬式が終わった後、菩提寺に出向いて

詳しくは菩提寺の住職さんや葬祭場のスタッフが教えてくれます。

お布施はこのような不祝儀袋に包み、水引は着けず、表書きの下に施主名を墨書で記入して渡します。

御膳料(住職が通夜振る舞いに出席しない場合)や、お車代もこのような封筒に入れて渡しましょう。

控室での渡し方も地域によって異なるので(お盆に載せて渡すなど)、スタッフに尋ねてくださいね。

ちなみに、お葬式のお布施は相続税の対象外になるので、かならず僧侶から領収書を発行してもらいましょう。

 

スポンサーリンク

 

法事・法要で必要になるお布施の相場

亡くなった人の霊魂は、七日ごとに「十王(じゅうおう)」と呼ばれる地獄の裁判官たちに生前のおこないを審議され、死後に行くべき世界が決定されると言われます。

しかし、その七日ごとに様々な仏さまがやってきて、中陰の四十九日をはるかに超えて三十三回忌まで故人を弁護し見守ってくれるという考え方が「十三仏(じゅうさんぶつ)」で、これは日本にしかありません。

その仏たちを手厚く供養して故人の冥福を祈る…追善法要(ついぜんほうよう)・忌日法要(きじつほうよう)。

これがすなわち「法事(ほうじ)」や「法要(ほうよう)」であり、菩提寺にお願いして住職に開いてもらうか、僧侶を招いて自宅のお仏壇で読経してもらいますので、ここでもお布施を支払います。

 

法要に必要なお布施のおおまかな相場をまとめました。

もちろん宗派や寺院の規模、地域などで大きく異なることがありますので、あくまで目安として参考にしてください。

また、忌日法要にお塔婆(とうば)を納めるときは、一本につきおよそ3,000円くらいを別に見積もっておきましょう。

 

四十九日忌のお布施相場

四十九日のお布施の相場は一般的に葬儀の一割ほどが目安。

  • お布施の目安…3万円〜5万円

四十九日は死者が極楽往生する日であるとされ、古来インドでは六道輪廻(ろくどうりんね)のなかで生まれ変わる時間だとされます。

法要のあとは精進落としとして食事を振る舞いますが、住職が出席しない場合は御膳料(ごぜんりょう)として5,000円〜1万円包んでわたします。

また自宅やホールに僧侶を招いて法要を開いてもらう場合は、お車代として5,000円を目安に包みましょう。

 

埋葬供養のお布施相場

  • お布施の目安…3万円〜5万円

お墓や納骨堂に遺骨を埋葬することを石塔開眼(せきとうかいげん)とも呼び、石材屋さんが立ち会いのもとで開かれる法要です。

おおくは四十九日で埋葬されますが、決まりは特になく、今日よくみられるようになった家族葬(かぞくそう)では火葬の直後に行われることもあります。

 

墓石を動かしてもらう必要がありますので、石材店に対しても埋葬料が必要になります。

相場はないようなものですが、概ね1万円~5万円くらいを考えておきましょう。

ちなみに、石塔開眼を「お祝い事」とする地域もあり、弔事のなかで唯一、赤い水引の封筒でお布施を渡すことがあります。

 

埋葬料の補助金

ちなみに埋葬料は健康保険から補助金が出ます。

被保険者が業務外の事由により亡くなった場合、亡くなった被保険者により生計を維持されて、埋葬を行う方に「埋葬料」として5万円が支給されます。
埋葬料を受けられる方がいない場合は、実際に埋葬を行った方に、埋葬料(5万円)の範囲内で実際に埋葬に要した費用が「埋葬費」として支給されます。
また、被扶養者が亡くなったときは、被保険者に「家族埋葬料」として5万円が支給されます。

引用:全国健康保険協会

申請を忘れないようにしましょう。

 

スポンサーリンク

 

最初のお盆のお布施相場

四十九日を過ぎて最初に迎えるお盆は、「新盆(しんぼん・あらぼん・にいぼん)」または「初盆(はつぼん)」と呼び、故人がはじめての道に迷わないようにと新盆提灯や新盆灯篭に明かりをともす風習です。

初盆での法事は二種類あり、地域や菩提寺によって違いますので、詳しくは住職さんに聞いてみましょう。

 

自宅でお坊さんに拝んでもらう(棚経)時のお布施相場

  • お布施の目安……3万円〜5万円

この時期は住職さんが檀家を一軒ずつ訪問して、帰ってきた先祖の霊を読経でもてなす「棚経(たなぎょう)」をおこなう地域があります。

しかし、今ではやらない寺院さんも多くなりました。

 

菩提寺で合同の法要をひらく時のお布施相場

初盆の場合、寺院でほかの方と合同で法要を開く場合があります。

  • お布施の目安…5000円〜1万円

 

お彼岸のお布施相場

宗派やお寺によっては、この時期、菩提寺に檀信徒さんたちを集めて法要をひらきます。

  • お布施の目安…3000円〜1万円

彼岸とは「到彼岸(とうひがん)」の略で、向こう岸=悟りの世界・極楽浄土のことです。

毎年の春分・秋分の日を中日として、それぞれ1週間のあいだ先祖を供養する習慣で、日本にしかありません。

 

一周忌の時のお布施相場

  • お布施の目安…3万円〜5万円

故人さまが亡くなった時とおなじ月日のことを祥月命日(しょうつきめいにち)といいます。

ちょうど一年後の祥月命日か、もしくはその数日〜数週間前に菩提寺で行うのが、一周忌の法要の通例です。

公共の葬祭場などで、お坊さんを招く場合は、

  • 御膳料…5,000円〜1万円
  • お車代…5,000円

このくらいを目安にお布施します。

 

三回忌以降のお布施相場

三回忌以降の法要は、一周忌ほど金額を包みません。

  • お布施の目安…1万円〜5万円

お車代と御膳料を添える場合は、一周忌と同じ程度の金額で大丈夫です。

 

スポンサーリンク

 

まとめ

一般的にお金の話題はデリケートなものなので、相談するにもはばかられますよね。

葬祭関係であったら尚更のこと。

今回の記事が少しでもお役に立てたならば幸いです。

-仏教知識
-, ,

Copyright© ワールドセクト , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.