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仏壇チーンの意味はお経の合図!おりん(鐘)の知られざる秘密

ちーん 意味 お経 おりん

よくテレビドラマやマンガに出てくる「ちーん」という効果音。

どちらかというと「物事の終わり」や「手詰まり感」をコミカルを表現するときに用いられますね。

あの音の由来は「鈴(りん)」、「おりん」などと呼ばれる仏教儀礼の楽器です。

 

では「ちーん」が何を意味しているのか、ご存知ですか?

ということで今回は、
ちーんの意味はお経の合図!おりんの知られざる秘密
をお送りします。

 

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「ちーん」の意味はお経の合図

「ちーん」の音は仏教法要やお経の始まり・節目・終わりを意味する楽器による合図です。

仏教と音、といえば「ポクポク」と音を出してリズムをとる木魚(もくぎょ)も強いイメージがありますね。

 

ほかにも、お坊さんたちの集合時間を知らせるための金属の鐘や、声の音階を合わせた磬(けい)などの楽器を仏教では使います。

たとえば、大晦日の夜に突く、除夜の鐘。

仏教では人間の苦しみ・悩みの原因を煩悩(ぼんのう)と呼び、その数である108個に合わせて打ち、厄を落として新年を迎えようとする意味が除夜の鐘にはあります。

なにかしらの法要の合図でありつつ、仏教の楽器は深遠な意味もあわせて持つことも特徴ですね。

現在の「ちーん」の原型である鈴(りん)、おりん、または「ざる鐘」といわれる楽器は、中国の宋の時代、禅宗の寺院が使い始めたと言われています。

一般家庭のお仏壇に備わっていますので、みなさんにとっていちばん身近なものといえば、この鈴でしょう。

「ちーん」の鳴らし方

ということで、鈴の「ちーん」は、むやみに鳴らすものではありません。

一般家庭では、お仏壇のまえで

  • お供え物をして礼拝をするとき
  • お経を唱えるとき

などのときに、しずかにやさしく鳴らすものなのです。

宗派によって鳴らし方や回数はバラバラですので、もし気になるようでしたら菩提寺さんにお問い合わせしてくださいね。

 

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「ちーん」の表現はお葬式のイメージが結びついた結果

仏教の法要のなかで一般の方がイメージしやすいのは、お通夜やお葬式ですよね。

静まりかえったお堂やホールのなかで、僧侶による読経の声と、木魚の音が響きわたります。

一連の儀式の終わりにならされる、「ちーん」という鈴の音。

最初は甲高く、しだいに弱まり、涼やかに消えていく…。

故人を見送るという悲しさ、いのちのはかなさが身に染みるような音です。

「物事の終わり」「お通夜状態」として使われていて、なおかつしっくりくるのは、「ちーん」の表現を日本人が体感的に理解しているからかもしれませんね。

 

おりんはもともと鐘だった

先にもすこし触れましたが、仏教で使われる楽器はさまざまなものがあります。

長い歴史のなかで生まれた鈴(りん)・おりん。

その変遷をさかのぼると、意外なことに、日本人ならだれしも学校で習ったことがある有名な詩につながります。

 

「平家物語」の詩の由来

祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響あり。沙羅雙樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。

参照/Wikipedia祇園精舎

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中学校の国語の授業で習う古典「平家物語」の冒頭にあるこの一節は、とても有名ですね。

どんなに栄えていても、いつかは廃れ、はかなく散ることになる…。

すべてのものはうつろいゆく、という世の無常を端的に表現していますね。

祇園精舎(ぎおんしょうじゃ Jetavana-vihāra、正式名:祇樹給孤独園精舎、ぎじゅぎっこどくおんしょうじゃ、梵語: jetavane ’nāthapiṇḍadasya-ārāme)は、インドのコーサラ国首都シュラーヴァスティー(舎衛城)、現ウッタル・プラデーシュ州シュラーヴァスティー県にあった寺院である。釈迦が説法を行った場所であり、天竺五精舎(釈迦在世にあった5つの寺院)の1つである。

参照/Wikipedia祇園精舎

お釈迦様にしたがう修行僧たちの休養所であり、また身寄りのない人を養った、いまでいう福祉施設でもあったのが祇園精舎です。

 

鐘の音は仏の教え

中国の唐の時代、「続高僧伝」などの仏教典籍を記した道宣(どうせん、西暦538年生まれ〜597年没)の書に「舎衛国祇園寺図経(しゃえいこくぎおんじずきょう)」があります。

インドからの渡来僧たちから、当時の祇園精舎の生活ぶりを道宣がうかがい記録した書であると言われています。

祇園精舎には銀の鐘が備えられ、修行僧が亡くなりそうなときに鳴らしたことが伝聞として記されています。

これが「祇園精舎の鐘」です。

 

高らかに鳴り響いては消えてゆく鐘の音は、

「すべてのものごとはうつろいゆく、不安定さこそが世の真理である。悟りの世界こそが静寂な安心を得られる境地である」

という仏の教えを表していました。

 

ずいぶん昔ですから、どこにも医者も薬もない時代…いちど病に伏した人間は、たちまちに死に向かったことでしょう。

今まさに死に絶えそうなときに「鐘の声」を聞いた僧侶たちは、その響きに仏法をかさねながら、安心して入寂したとのことです。

 

形を変えてお仏壇に

このように、仏教において楽器で音を鳴らすということは、大きな意味を持っていました。

仏教に限らず、祭祀に音楽を奏でるのは世界的によくみられます。

中国ではインドから仏教が伝わる以前からも、さまざまな楽器が開発されていました。

楽器の材料も木や石から、金属と豊富に使われたことが分かっていて、中国でもっとも古い楽器のひとつはなんと殷(紀元前17世紀ごろ)の時代に作られた石だとのことですから、驚きです。

 

中国に伝わった仏教とその楽器は、さらに改良が加えられました。

いまの日本のお仏壇に収められているちいさな鈴は、その終着点と言えます。

もともとの鐘の「カーン」や「ゴーン」といった音も、鈴では軽量化されてコンパクトになっていますね。

今ではさらに可愛く現代風にアレンジされたものも。

 

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まとめ

ひょっとすると、軽い冗談や、場を和ませる目的で「ちーん」と口で出す方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、これまで説明した経緯をみてみると、軽々しく使える表現だとは言えませんね。

祇園精舎の鐘の聲。

せっかく何事もうまくいっていたのに、大事な人を不機嫌にさせて、憂き目に遭うかもしれませんよ…!

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