近年、ネットやSNSの流行によって、すごい量の情報が飛び交う時代。
そのため人は常に考え、不要な情報の過多によって脳が疲れやすくなってしまいました。
そこで注目され始めたのが、シンプルな脳の休息法であるマインドフルネスです。
マインドフルネスを行うことでリラックスしてストレスを軽減し、集中力もあげるなどの効果があります。
マインドフルネスは、座禅をベースにした脳のトレーニング方法。
座禅とは「禅」の基本的な修行法で、座った状態で精神統一を行います。
>>>座禅のメリットと効果|簡単にできる!自宅でのやり方まとめ
人気なマインドフルネスの元となった座禅。
この二つの違いはどこにあるのでしょうか?
ということで、
マインドフルネスと座禅の違い|姿勢やルールと宗教性の有無
をお送りいたします。
歴史の違い
座禅は日本仏教の禅宗のメインとなる修行法。
曹洞宗と臨済宗が有名な宗派です。
どちらも鎌倉時代から存在していました。
>>>曹洞宗と臨済宗の違いとは【禅と悟り】の方法にその答えがあった
僧にとっては修行ですが、一般向けには精神鍛錬として認識されています。
対してマインドフルネスは1970年ころアメリカの研究者が考案したもの。
スポーツやビジネス・学校などで取り入れられています。
うつ病などの心の病気の補助的な治療法としても有効な場合があるという研究結果も出ています。
ただ、デメリットもあるとされていますので注意は必要です。
>>>マインドフルネスの危険性とは|ネガティブな感情はNG?
やり方の違い
二つとも基本はどちらも同じやり方です。
- 姿勢を整える
- 呼吸を整える
- 心を整える
両者の違うところは、座禅の姿勢には決まりがあるということ。
- 結跏趺坐(けっかふざ):両足を太ももの上にのせて座る
- 半跏府座(はんかふざ):片足だけ太ももの上にのせて座る
座り方の詳しくはこちら。
>>>座禅のメリットと効果|簡単にできる!自宅でのやり方まとめ
疾患などで足を組めない人は椅子に座って行うイス座禅を行います。
>>>座禅で足が組めない場合におすすめの方法|イス禅のやり方
マインドフルネスでは特に座り方はなく、背筋が伸びていればOKです。
立ったまま、仰向けなど指導する人により違うみたいですね。
マインドフルネスでは瞑想をするため目と閉じます。
しかし座禅は半眼で見開かず細めず、視線は1m前方(約45度の角度)に落とします。
また、座禅には警策(きょうさく)があります。
座禅中、警策を持つ役の人が、居眠りや姿勢が悪い、落ち着かない人の肩を打ちます。
これもマインドフルネスにはない座禅の特徴ですね。
その他の違い
マインドフルネスは目的によってやり方が異なる場合があります。
ただ、マインドフルネスのやり方としてすべてに共通しているのは、宗教性が排除されている事。
ともすると新興宗教が洗脳する時の手法に近くなってしまいますからね。
また、慣れないうちのマインドフルネスの時間は5~15分がいいとされています。
やりすぎると考えすぎて逆効果というデータも。
>>>マインドフルネスの危険性とは|ネガティブな感情はNG?
一方、寺で行う座禅の時間は指導も含めて約40分です。
作法一つ一つに意味がありますので、理解するために一度は実際にお寺で経験したほうがいいのかもしれません。
もちろん家で座禅も可能です。
座禅は「寝つきや眠りの質をあげる」という効果もあるので、寝る前がおすすめとされています。
>>>座禅のメリットと効果|簡単にできる!自宅でのやり方まとめ
まとめ
まとめると、以下の通りです。
- マインドフルネスは近年うまれたもの、座禅は鎌倉時代からある禅宗の修行法
- マインドフルネスは姿勢に決まりはないが、座禅には決まった姿勢がある
- 座禅には警策(きょうさく)がある
- マインドフルネスは宗教性を排除
- 行う時間は色々
※座禅の起源は中国座禅の祖・達磨大使とされていますので、正確には鎌倉時代以前となります。
今回はマインドフルネスと一般向けの座禅と対象に違いを比べました。
宗派によって座禅の在り方や座法は異なりますが、根幹は同じです。
マインドフルネスも座禅も「邪念を払い、己自信と向き合っていく」方法・手段だということ。
やり方に誤差はあっても効果はほとんど同じなので、自分にあう方法を選びたいものですね。