新興宗教の1つに「立正佼成会」があります。
もしかしたら、あなたのまわりや家族にもいるかもしれません。
立正佼成会はどういった教えのどういった団体なのか。
危険な宗教団体なのか、悪徳な教えがあるのかをまとめていきます。
立正佼成会とは｜団体概要
文化庁においては、仏教の日蓮宗系統にまとめられている宗教団体です。
同じく日蓮宗系統の霊友会から分派独立した団体です。
霊友会は特に先祖供養へ重きを置いていますが、立正佼成会は先祖供養を大事にしつつも法華経により重きを置いた教えとなっています。
- 創立：1938(昭和13)年3月5日
※霊友会から分派独立 - 開祖：庭野日敬(にわのにっきょう)
- 脇祖(わきそ)：長沼妙佼(ながぬまみょうこう)
- 現会長：庭野日鑛(にわのにっこう)
- 信者数：2,075,272人
※令和4年版 宗教年鑑より - 公表値：約102万世帯
※公式サイト概要より - 経典：法華三部経
- 拠点数：国内238教会／海外19カ国69拠点
参考：立正佼成会公式HP
立正佼成会の創立
1938年、庭野日敬開祖が長沼妙佼脇祖と共に「大日本立正交成会」を創立しました。
面白いもので、両団体の公式サイトには一切触れられていませんが、霊友会の教えに反発しての離反というのが正しい流れでしょう。
会の創立に当り、庭野鹿蔵は「日敬」、長沼政は「妙佼」と改名して戸籍登録した。庭野開祖会長は、霊友会を離脱した理由について、霊友会会長・小谷喜美の「法華経の講義なんか時代遅れだ、そんなことをするのは悪魔だ」という発言を聞き、法華経への理解をおろそかにして、真の供養を行えるとは到底思えないと感じたからだとしている。
引用：立正佼成会ウィキ
立正佼成会の会員数(＝信者数)
信者数270万人以上というのは、新興宗教としてはかなりの数と言えるでしょう。
→平成29年版 宗教年鑑では270万人でしたが、令和4年版 宗教年鑑では207万人まで減少しています。
いまだ大規模団体であることには変わりありませんが、信者の流出が止まらないうえに新規獲得も少ないのかもしれません。
無理な勧誘は少ないことの裏返しとも言えるでしょうか。
新興宗教の規模で言えば、創価学会に次ぐ規模だと言えるでしょう。
↑で見ると幸福の科学が圧倒的に見えますが、幸福の科学の信者数カウントは宗教年鑑に記載もなく、経典の累計発行部数でしかないので、明らかに多すぎる数字です。
実質的な信者数で言えば、立正佼成会の方が多いと見ていいでしょう。
立正佼成会の教え
立正佼成会の公式サイトには以下の文言があります。
私たちは、「すべての人が人間的に向上し、最終的には仏になることができる」と説く法華三部経を所依の経典としています。
三部とは、無量義経、妙法蓮華経（法華経）、仏説観普賢菩薩行法経（観普賢経）をさしており、法華経に対して、無量義経を開経、観普賢経を結経と呼ぶこともあります。
私たちは、法華三部経を中心とする仏教を通じて、いのちのあり方や人生の生き方を学びます。引用：立正佼成会データ
立正佼成会は以下の法華三部経を経典としています。
ポイント
- 無量義経（むりょうぎきょう）
- 妙法蓮華経（みょうほうれんげきょう）
- 仏説観普賢菩薩行法経（ぶっせつかんふげんぼさつぎょうほうきょう）
順に見ていきます。
1.無量義経
無量義経の内容は、2つ目の妙法蓮華経の内容を説く直前に説かれたもので、妙法蓮華経を学ぶ前に理解しておくことです。
前置きのような部ですね。
無量義とは「数かぎりない意味を持った教え」を意味します。
2.妙法蓮華経
妙法蓮華経は、序品第一からはじまり全部で28の章があります。
概要にしてもすべて伝えるのはむずかしいですが、物語のようにお釈迦様の行動などが書かれています。
すべて読むと妙法蓮華経のすべてがわかるかも・・・しれません。
3.仏説観普賢菩薩行法経
仏説観普賢菩薩行法経は、妙法蓮華経の最後の普賢菩薩勧発品第二十八のあとを受けて説かれています。
懺悔の法を徹底して説いているため、「懺悔経」とも呼ばれています。
なぜ妙法蓮華経と分かれているかはわかりませんが、まとめの部としての意味を持っているようですね。
法華経のあらましと要点のPDFはなんと全96ページにもわたって立正佼成会の公式HPにて記載されています。
うち90ページくらいが妙法蓮華経に関する内容になります。
参考
ただし、この見解はあくまでも立正佼成会における見解です。
仏教界における解釈とは誤差があります。
立正佼成会と仏教の解釈の違い
立正佼成会は、仏教を元にしていましたが本来の仏教とは違う点がいくつか存在します。
- 本尊がコロコロと変わっている
- 法華経の解釈を都合よく変えている
- 他宗派を否定しないという考えは日蓮の考えを否定している
宗教団体としては大きなトラブルを起こしていない立正佼成会ですが、本来の日蓮宗の考えからは大分解釈が変わっているようです。
解釈の違いについて｜現役信者様よりお声を頂戴しました
法華経は日蓮が研究しましたが、
日蓮本仏とする勝劣派と、釈迦を本仏とする一致派があります。
勝劣派は一致派や他の勝劣派に対して
法華経をねじ曲げたと主張します。
排他的だからです。
法華経をねじ曲げたのは勝劣派ではないでしょうか。
日蓮は天台を学んで、法華経を広めましたが、釈迦を本尊としており、私を拝めなどとは言ってません。
法華経をねじ曲げたのは日蓮正宗や創価などの富士派であります。
なるほど、大きく排他的な解釈を行ったのは、主に勝劣派や、日蓮正宗、創価学会とのことです。
確かに、両団体とも過激派で有名な宗派ですからね。
穏健派と呼んでも差し支えないのが立正佼成会なのかもしれません。
立正佼成会は危険性や事件
一番気になるのは・・・
立正佼成会は危険なのかというところ。
宗教団体ではありますので、多少の勧誘やあやしい商品の販売等はあるようです。
しかし幸福の科学のような衝撃ニュースはないですし、アーレフ(元オウム真理教)のような事件もありません。
1950年頃に信者獲得活動が行き過ぎ、公共の福祉に反するなどの訴えが創価学会とともにありましたが、それ以降は落ち着いています。
「他の宗教を否定しない」という教えがあるせいか、無理な勧誘や行き過ぎた犯罪行為などの大きなトラブルは少ないようです。
しかし…
拝金主義が酷くて危険！立正佼成会の二世の方から感想を頂戴しました。
立正佼成会のページ見ての感想です。 この宗教団体のやり方が仏教の教えとは程遠い、活動で本当に呆れました。 母が入っており、亡くなると立正佼成会を通しての保険に入っていたのですが、給付の手続きを中々させて頂けず、信者さんが手続きについて説明に来られたのですが、手続き書類が、二回違うものを渡された給付金をもらえないようにされて、保険会社に直接連絡してやっと給付されました。 被保険者がなくなっても、3ヶ月程保険料を払わなければ、給付手続きは出来ないと信者さんに言われ、払い続けました。 保険会社に直接連絡して違法が発覚したのですが、信者さんはよくしらないけど担当のお役をしてるのですとおっしゃって、金融業にかかわる免許も持ってない方が、支払いを継続させる利益だけを追求する、今の宗教活動に嫌気をさして抗議しても、未だに高齢の父にお彼岸供養代として徴収に来られます。 振込め詐欺とさして変わらないレベルで驚いてます。 未成年の時私もこの立正佼成会の活動に出た事がありますが、集会では、初代会長が、清貧の中仏教の教え広めたと会員誌にも、書いてあっのですが、代替わり地方の小さな教会では、教えも何もあったものではありません。 一度集金活動せずに宗教活動してくださいと伝えたのに、相変わらず集金にだけ来られます。 現代は縮小傾向著しい新興宗教になるはずだなぁとつくづく思ってます。 記事を見ての感想！。デス。
どうにも拝金主義が酷すぎるということです。
大事な人の死の際に、そんなことをやられては、腹立たしく許せなく思うのもしかたのないことかもしれません。
おそらく、地域の支部や信者さんによって、その勧誘や拝金度の違いはあるのでしょう。
あまり違法スレスレのような事態が続くと表面化してくると思いますので、動向に注目しましょう。
立正佼成会その他の活動
立正佼成会は文化活動に積極的です。
普門館という東京の杉並区にあるホールは、長年全日本吹奏楽コンクールの全国大会の会場として使用されていました。
現在は耐震強度不足が判明し使用されておらず、2018年12月から解体工事がはじまることが明らかになりました。
音楽関係者や吹奏楽をしている(していた)学生からは非常に残念という声もあがっているようです。
その他、佼成学園中学校・高等学校や佼成学園女子中学校・高等学校などの学校施設も複数運営しております。
佼成学園高校は1974年の第56回全国高校野球選手権大会(甲子園)にも出場しています。
現役信者様より情報を頂戴しました
初めまして。
私は立正佼成会の会員ですが、運営者様ほどの勉強をしておりませんので、知らないことばかりです。
ただ、運営者様は、WCRPやACRP、そしてユニセフ募金活動、新日本宗教連盟等と、立正佼成会の関わりに関しては、全く触れられておりません。
故意にそうされておられるのか、ご存じなかったのかは解りませんが、私たち佼成会の会員としては、そのような活動に重点があると信じておりますので、ご理解頂ければ幸いです。
法華経をねじ曲げていると言わる表現は 面白いですね！！
運営者様の益々のご活躍を期待しております。
なるほど、私の調べ方もまだまだだったようです。
国際的かつ平和的な活動に力を入れてらっしゃるというのは、なんとも素晴らしい事実ですね。
ダスキンは立正佼成会？
お掃除用品やお掃除代行などで有名な株式会社ダスキン。
ミスタードーナツの事業本部としても有名ですが、宗教色の強い企業であることは一部で有名です。
朝礼や株主総会で般若心経を唱えたり、社員を「働きさん」給料を「お下がり」ボーナスを「ご供養」などと、独特の専門用語で表しているので、はたから見るとヤバい会社なの？と思いかねません。
ここで誤解があるのですが「ダスキンは立正佼成会なのでは？」ということです。
結論から言えば、ダスキンは立正佼成会ではなく、新興宗教団体の一燈園と密接な関係にあります。
一燈園とは
一燈園とは、便所掃除を主とした奉仕の精神で活動している宗教団体です。
1904年から活動をしているものの宗教法人格は持たず、公表されている信者数も1500人程度と少ないです。
また、財団法人としては法人格を持っています。
一燈園はまさに新興宗教然とした団体であり、現在の仏教色や神道色、他の団体の教えなどとは遠く見えるのですが、般若心経は仏教の真髄を要約したものとして尊ばれているようです。
信仰対象は「大自然＝おひかり」とされていますが、他の新興宗教団体で言う「おひかり」とはまた、意味合いが異なっているので注意が必要です。
→祈りのアイテムのことを「おひかり」と呼ぶ宗教団体、世界救世教と神慈秀明会。
この2団体と一燈園に関係性は見られませんので、どちらかが引用したのか、たまたま同じ名前になったのかは不明です。
なぜダスキンがこの一燈園と関係しているのかと言えば、ダスキン創業者である鈴木清一が、一燈園創始者である西田天香に師事していたことが由来しています。
現在でも、スタッフは必ず一燈園での修行「智徳研修会」の参加が行われているようです。
ダスキンフランチャイズ加盟店のブログ記事にも研修会の感想を見つけることができました。
有名なのは、一般のご家庭にお願いして便所掃除をさせて頂く修行をします。
これを六万行願と言って、一燈園の主要な修行になっています。ダスキンの創業者である鈴木清一が、西田天香さんの下で修業していたご縁で、
ダスキンの働きさんは研修の一つとして、一燈園智徳研修会に参加しています。
確かに便所掃除を修行とする一燈園と、お掃除のプロであるダスキンは相性が非常に良さそうですよね。
まとめ
立正佼成会は外から見る限りだと、危険であるなどの大きな問題は感じませんでした。
他の大きい宗教団体に比べると、最近のトラブルはほとんど聞くことはありません。
宗教内では多少のトラブルなどはあるようですが、これだけ大規模な団体ともなれば、しかたない部分もあるでしょう。
とはいえ入信しないと団体内部についてのことはわかりません。
